[2017/03/16] (最終更新日 2021/06/21)
フレッドアップデート「内容がよくわからない」のはなぜか
先日3月8日頃からの検索順位大変動に関し、そのころアルゴリズムアップデートを実施していたことを、Google側は渋々ながら認めています。
この大変動は「フレッドアップデート」という名付けられましたが、その影響範囲の大きさの割には、結局どんな内容のアップデートだったのか、はっきりしていません。
このようにアップデートの内容がはっきり特定できないのはなぜなのでしょうか?現在のGoogleの仕組みをかんたんに説明しつつ、フレッドアップデートの中身について解説します。
内容不明の「フレッド」、以前のアップデートとはどう違う?
今回のフレッドアップデートで、「何が原因で順位が上下したのか、よくわからない」ことに、不安をいだいているウェブ管理者の方も、少なくないでしょう。
一方で、最近SEO対策を始めた方であれば、なぜみんなが困惑しているのか、よくわからない方も多いはずです。
なぜ困惑している人がいるかというと、元々アルゴリズムアップデートとは「どんなサイトの順位が動いたかが比較的分かりやすかった」からです。
以前ならアップデートの内容は明らかだった
以前であれば、Googleのアルゴリズム更新は
「これこれこういうサイトの順位を上げましたよ」
「逆に、これこれこういうサイトの順位は下げましたよ」
というように、アップデートの内容が、比較的はっきりしていたのです。
例えば、数年前に頻発した「パンダアップデート」なら、WEBページのコンテンツ内容を見て順位を変えている、ということがはっきりわかっていました。
しかし、今回起こったフレッドアップデート、あるいは、最近起こっているいくつかの順位変動に関しては、何が原因で順位が動いていたのか、イマイチはっきりしないケースが多くあるのです。
最近のアップデートは、なぜ内容がよくわからないのでしょうか?
内容が判然としないのは「自動アップデート」だから
アップデートの内容がよくわからなくなった理由は、Google検索アルゴリズムのアップデートが「半自動化」したからと言われています。
…といっても、これだけの説明では全然なんだかわからないと思いますので、少しでもわかりやすいように、大づかみなイメージで説明してみようと思います
※くれぐれも「大づかみな」説明だと思って下さい。細かくつつくと事実と違う部分がありますが、ご了承下さい。
アップデートが起きるたび、「順位を上げる条件」は変わる
Googleは、検索エンジンの掲載順位を決めるプログラム、つまり検索アルゴリズムを、日常的にアップデートしています。(ごく小さなアップデートも入れれば、ほぼ毎日アップデートは行われていると思われます)
これにより、順位が上がる条件は、常にちょっとずつ変わっています。
例えば、以前のGoogleでは「キーワードがたくさん書いてあるページなら1位になれた」のが、あるアップデートの後には「キーワードがあまりにたくさん書いてあると、逆に順位を下げる」ようになってしまったりします。
アルゴリズムのアップデートにより、検索順位の上がる条件が変化したわけです。
前は「手動」アップデートだった
以前であれば、アルゴリズムアップデートは、「手動」で行われていました。
例えば、
「キーワードがたくさんありすぎるページを1位に表示しても、検索ユーザーには何の役にも立たないんじゃないか?
じゃあ、あまりにキーワードばっかりで役に立たないページは、検索順位をもっっと下げることにしよう。
よし、アルゴリズムを調整(アップデート)するぞ!」
といった感じで、Googleが「課題を設定し」、「エンジニアがアルゴリズムをカチャカチャ調整し」、「調整した内容で検索エンジンをアップデートする」わけです。
手動アップデートは、内容決めも作業も人間が担当する
かつては、アルゴリズム調整の課題も、アルゴリズムをカチャカチャ調整する部分も、アップデート処理も、すべてGoogleスタッフが自分の手で行っていました。
つまり、人間が自分の手で作業していたわけです。
なので、当時のアルゴリズムアップデートは、「手動」アップデートだった、ということになるのです。
今は「自動アップデート」になった
それが今では「(半)自動」で行われるようになったのです。どういうことかというと、
- どんなページの順位を上げるか検討する
- そのためにアルゴリズムをカチャカチャ調整する
という部分を、新たに登場したGoogleの人工知能が、自動的にやってくれるようになった、と考えると、比較的わかりやすいと思います。
(なお、こうして調整した内容を、最終的に検索エンジンに適用する「アップデート処理」だけは、どうやら人間がまとめて行っているようです。なので、完全に自動化されたわけではなく、正確には「半」自動なのです。)
自動アップデートと深く関わっている「RankBrain」とは
この、Googleが導入した「人工知能」は、RankBrain(ランクブレイン)という名前で呼ばれています。
RankBrainは人工知能だ、と言うと、なんだかiPhoneのSiriやソフトバンクのPepperくんのような「人間みたいなロボット」を想像してしまうかもしれません。
しかしRankBrainはそういうものではなく、「超高度なプログラムの集合体」ぐらいに考えるとわかりやすいかもしれません。
自動アップデートでは複数内容の「並行作業」が行われる
RankBrainは「超高度なプログラムの集合体」なので、人間と違って、一度にたくさんの課題を決めて、たくさんのアルゴリズム調整を同時に行うことができます。
そのため、自動更新になった現在は、手動更新だった以前とくらべて、よりたくさんの複数のアップデート作業を、並行して同時に進められるようになりました。
たとえば、
- 「キーワード詰め込みサイトの順位を上げすぎないアップデート
- アフィリエイト広告を掲載しすぎているサイトの順位を下げるアップデート
- 他の内容の複数のアップデート
という複数のアップデートを、並行して全部同時に進められるようになりました。
すると、Googleがアップデートされる頻度は飛躍的に高まり、検索エンジンとしての進化も早まり、検索ユーザーはより便利なGoogleを使えるようになります。
自動アップデートの順位変動は、しばしば「相乗効果」を起こす
このように、自動アップデートはGoogleにも検索ユーザーにも幸せをもたらすのですが、SEO対策を行うサイト管理者にとっては、少々やっかいと言えます。
なぜなら、常にアップデートが行われ、常に上位表示の条件が変わっていくので、「上位表示の攻略ポイント」が見つけにくくなったからです。
そしてもう一つやっかいなのは、いまは複数内容をまとめたアップデートが同時進行で一緒に実施されるために、相乗効果で検索順位が大きく動くことがある点です。
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フレッドアップデートも自動アップデート
さて、ここまでの話を、フレッドアップデートにあてはめてみましょう。
フレッドアップデートによって順位が下がったサイトには「広告を載せすぎでユーザーの役に立たない」ようなサイトが多かった、とする外部調査結果が、先日出されました。
しかし、広告がないのに順位が動いたサイトもたくさん見られました。そのため、「フレッドアップデートの内容って、何だったんだ?」と困惑しているサイト管理者もいます。
フレッド=複数アップデートの集合体
しかしこれは、フレッドアップデートが自動アップデートであることを考えると、実はおかしなことでもなんでもないのです。
つまり、今回のアップデートで広告を載せすぎなサイトが標的になったのはおそらく確かなのですが、その他の色々な点でも、Googleは順位評価のしかたを変えるアップデートを行ったはずです。
それらの「複数のアップデート内容の集合体」が、フレッドアップデートの正体と考えられるのです。だから、変動の原因を「何かひとつに絞り込もう」とするのは、なかなか難しいのです。
アルゴ変動に翻弄されないようにしよう
ここまで読むと「じゃあ、もう順位を上げる方法はわからなくなったってこと・・・?」と不安に思った方もいるでしょう。しかし、別に途方にくれる必要はありません。なぜなら、Googleは常に
- 役に立つコンテンツ
- 外部サイトからの被リンク
の二点を最重要評価する、と、もとから明言しているからです。
いくらアルゴリズムに細かい調整が行われようが、この2つの点を粛々と強化・改善していけば、順位は上がるようになっているのです。
コンテンツとリンクでできているのがインターネット
そもそもインターネットは、「コンテンツ」と「リンク」の2つによって成り立っています。このうちどちらが欠けても、インターネットは成立しません。
そのため、Googleが「コンテンツとリンクを評価して、順位を決めるよ」と言っているのも、ある意味とても当然のことなのです。
なぜなら、評価できるような主な対象としては、その2点くらいしかないからです。
なので、いまも昔も、Googleは、コンテンツとリンクを評価して、検索順位を決めているのです。
検索アルゴリズムの基本は変わらない
例えばキーワード詰め込みを行うページの順位を下げるとか、(フレッドアップデートで見られたように)広告を載せすぎたサイトを下げるとか、そうした順位評価の見直しは、あくまで「順位評価アルゴリズム」の部分的な調整でしかないのです。
何よりもまず、コンテンツとリンクを評価して、順位を決める、というのが、検索アルゴリズムの基本にして根幹となるはたらきなのです。
どこか一つのポイントに気を取られないように
したがって、コンテンツを改善・追加しつづけ、ユーザーの役に立つサイトを作り、獲得する被リンクを増やそうとするのが、いまも昔もSEO対策の基本となります。
これらのポイントを、よそのサイトと比較して、より優れていれば順位が上がり、そうでなければ順位が下がるのです。
今回のアップデートで順位が動いたが、広告など全然載せていない・・・というサイトの管理者の方も、「広告」の方に気を取られすぎず、さらにしっかりとSEOの基盤(コンテンツとリンク)の見直し・改善を行うようにしましょう。
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