[2016/09/26] (最終更新日 2018/06/21)
【最速まとめ】ペンギンアップデート4.0のすべて/影響と対策を知る
※27日09:30 本日時点の世界各地のGoogleランキング変動状況を追記しました。
※26日17:00 全体をリライトしました。/海外メディアの見解を追記しました。
米時間9月23日、ついにペンギンアップデート4.0の展開が開始されました。
ペンギンアップデートは、Google検索アルゴリズム更新の中でも、最も影響度の大きいものの一つです。今回の4.0展開により、世界中のほぼ全サイトで、様々な規模のランキング変動が起きたと予想されます。
このペンギン4.0では、何が変わり、どんなサイトに影響が出るのでしょうか?
ペンギンアップデート4.0のすべてを、本記事でまとめて説明します。
ペンギンアップデートとは何か
ペンギンアップデートとは、検索ランキングを決めるためのGoogle順位評価プログラム(=検索アルゴリズム)の機能更新のことです。
ペンギンアップデートは、低品質リンクの評価アルゴリズムに対する更新です。今回が4度目の大規模更新であることから、4.0を付けて呼ばれます。
ペンギンは「低品質リンク」のあるサイトを順位低下させる
ペンギンアップデートが行われると、Googleがどんなリンクを「低品質」と判断するかの「基準」が変わります。
ペンギンアップデートで低品質と判断されるリンクには、代表的なものに、大量相互リンクや隠しリンク、悪意のあるプログラムによる無限増殖リンクなどがあります。こうしたリンクがついているサイトはペンギンアップデートで順位が下がるため、早急に削除する必要があります。
低品質リンクのないサイトも、ペンギンで順位が変わる
しかし、ペンギンアップデートでありがちなのが「大量相互リンクや無限増殖リンクがなければ、サイト順位は変わらない」という誤解です。実はペンギンアップデートは、スパムサイト以外の全てのサイトの順位も変動させます。こうした変動には、大きく三つのケースがあります。
- ケース1:適切なSEO対策により獲得したリンクが再評価され、順位上昇
- ケース2:他のスパムサイトが順位低下し、それに押し上げられ自サイトが順位上昇
- ケース3:ペンギンにいわば「誤判定」され、スパムがないのに順位低下
ケース1「リンク再評価で順位上昇」:ペンギンの精度向上により、リンク対策が改めて評価され、さらに順位上昇するパターンです。これはわりとかんたんに理解できるはずです。
ケース2「押し上げられ順位上昇」:初心者の方だと、少々わかりにくいかもしれないケースです。例えば、検索1位のサイトが順位下落すると、空いた1位の座に、他のサイトが「繰り上げ当選」することになります。この「順位繰り上げ」が、ペンギン更新時には無数に発生します。
ケース3「誤判定で順位低下」:今のアルゴリズムは大変な進化を遂げていますが、それでも100%完璧に動作することはありえず、想定外の要因で順位が変動することもあります。これを防ぐには、基礎SEO対策の強化、およびケースバイケースの柔軟な対応が必要になります。(本稿で後述)
影響の大きさ・広範さから注目されるペンギンアップデート
このように、ペンギンアップデートは、インターネット上のほぼ全てのサイトの検索ランキングを、大きく変動させるのです。そして、その原因は、上記のような様々なケースに分類することができます。
今回のペンギン4.0が世界中で大きな注目を浴びているのも、このように、影響がたいへん広い範囲に及ぶためです。
何が変わった?ペンギン4.0
さて、最新のアップデートであるペンギン4.0は、これまでの歴代ペンギンアップデートと何が変更されたのでしょうか。
4.0の主要なポイントを、Googleは公式アナウンスの中で、2つ説明しています。
- 主要な変更点1:「リアルタイム更新」になった(=自動更新)
- 主要な変更点2:順位への影響範囲がよりきめ細かくなった
主要な変更点1:「リアルタイム更新」になった
ペンギン4.0の最も大きな目玉が「リアルタイム更新」への進化です。
ペンギン最新版がリアルタイム化するという話は、かなり前からニュースになっていましたが、イマイチ意味がわからなかった方も多いのではないでしょうか。
ペンギンのリアルタイム化とは、大雑把に言うと、Googleが
「サイトについたリンクを、すぐ(=リアルタイムで)評価して、すぐ検索順位に反映する」
ようになった、という意味です。
この更新作業は、アルゴリズムがほぼ完全自動で行うことになります。(=自動更新化)
この「リアルタイム化」で具体的に何が起こるかというと、例えば
- 悪いリンクがついたらすぐ順位が下がる
- 良いリンクがついたらすぐ順位が上がる
- 悪いリンクが否認されたらすぐ順位が戻る
というように、「何がうまくいって何が失敗したか」がすぐにわかるようになります。当然、たとえ順位が落ちた際でも、リカバリーが格段に早くなるでしょう。こうなると、今後はSEO対策が非常にやりやすくなるはずです。
主要な変更点2:順位への影響がきめ細かに
ペンギン4.0のもう一つの目玉が「ペンギンの対応が更にきめ細かくなった」点だ、と、Googleは公式アナウンスで主張しています。下記は、その箇所の引用です。
スパムに対して、サイト全体に影響を与えるのではなく、スパムのシグナルに基づいてランキングを調整するようになりました。
ウェブマスターブログ日本語版、英語版は”Penguin now devalues spam by adjusting ranking based on spam signals, rather than affecting ranking of the whole site.”
いまいち要領を得ずわかりにくい文章ですが、これは「低品質リンクがあっても、それだけでサイト全体を突然圏外に飛ばすとか、そういう極端なことは、もうしませんよ」という意味のようです。
つまり、ペンギンアップデートによる順位への影響が、サイト全体ではなく各ページ単位に限定されるとか、リンク品質に応じて順位変動が小規模~大規模に分かれるとか、「ゆるやかで段階的なものになり、前のような極端な影響は起こりにくくなる」といった意味と考えられます。
その他:「ペンギンは200シグナルのうちのたった一要素」になる
主要なポイントは上記2点ですが、Googleの公式発表文にはもう一つ、注目すべき一文が加えられています。それは、下記のような文章でした。
もう 一つ覚えておいて頂きたい重要なことは、「Penguin のようなアップデートは Google がランキングの決定に使用している200 以上のシグナルの 1 つにすぎない」ということです。
(ウェブマスターブログ日本版、英語版は “.. remember that updates like Penguin are just one of more than 200 signals we use to determine rank.”、強調は引用者)
かつて、2012年に実施された初のペンギン更新では、極めて大きな順位変動が起き、リカバリーにも大変な手間がかかりました。しかし、Googleいわく、ペンギン4.0は「よりきめ細かで」「反応が早く」、大幅に対応しやすいものになりました。
そのためGoogleは、「以後は、ペンギン対策ばかり考えず、そもそものSEOシグナル(=基礎SEO)を大切にしてほしい」というメッセージを込め、公式アナウンスへ上記の「200以上ある順位評価シグナルの一つにすぎない」という文を書き加えたのでしょう。
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ペンギン4.0の影響度は
ペンギンアップデート4.0は、米時間9月23日(日本時間23日夜~24日)に展開が始まったといいます。つまり、今はもう既に、世界中のGoogle検索ランキングが、ペンギンアップデート4.0の影響を受けたものだ、と考えられます。
4.0の展開により「検索ランキングにとてつもなく大きな変動が起きるのでは」という予測もありましたが、それに反し、現在の検索順位は、中程度の変動にとどまっています。当ブログでは、ペンギン4.0の影響は今後もしばらくは中規模変動にとどまるのではないかと見ています。
世界各地のランキング変動のようす
下記は、今朝時点の日本国内Googleの変動値(namaz.jpより)です。
これによれば、23日以降も変動は極大化せず、やはり中規模変動が続いています。
※9月26日 9:30頃データ
一方下記は、諸外国の主なGoogle変動検知ツールによるランキング変動グラフです。
※左より、モズキャスト(米)、サープメトリックス(米)、アルゴルー(オーストラリア)
このように、日本に限らず諸外国でも、Google検索ランキングは中規模変動を維持しています。
※9月27日情報アップデート:27日9:30現在も、日本および各国のGoogleランキング変動は中規模程度に収まっています。下図を参照下さい。(クリックで拡大)
4.0が中規模なランキング変動にとどまっている理由は?
昔のように変動が極大化せず、中程度の変動が続いているのは、ペンギン更新がリアルタイム化したことの、最も明らかな「導入効果」と思われます。
大雑把に言うと、ペンギン4.0はリアルタイム(自動更新)化により「常に休みなく、でもちょっとずつ進む」ものになりました。
一方、以前のペンギンは「年に1-2度、まとめてごっそり順位を変える」ものでした。
そのため、以前のペンギン更新は、われわれサイト管理者側にとっても、実施するGoogle側にとっても、間違いなく「難事業」でした。
しかし、今回の自動化により、その「難事業」が一切不要になった、と言えそうです。いわば、実施のたびに混乱を引き起こす「ペンギン大変動」は、今や過去のものとなったとも考えられます。
今後のSEO対策とペンギン4.0
SEO対策中のサイトに対するペンギン4.0の影響を、総合SEO対策パッケージ SEO Pack利用サイトの分析から見積もると、4.0展開後3日目となる9月26日時点で、SEOパック利用サイトの平均順位上昇率は 91.2%となっています。
これをペンギン4.0展開前とされる10日前の上昇率と比較すると、0.3ポイントの数値改善が見られ、さらにSEO効果が高まっていることがわかります。
このことから、SEOパック利用を含む、基礎SEO対策は、ペンギンアップデート4.0を追い風に、さらに効果が高まったものと考えられます。現在対策中のサイトは、内容を変更せず、今後も同様のSEO対策を継続するようにしてください。
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まとめ:4.0でSEO対策「やりやすく」
ここまで見てきたように、ペンギンアップデートは、4.0でリアルタイム更新化し、よりきめ細かに(穏やかに)ランキングを変動させるアルゴリズムへと進化しました。
こうしたことからGoogleは、以後ペンギンを「200以上のSEOシグナルの一つ」と考え、極端に重要視することのないように、というメッセージも伝えています。
これで、Googleランキングに極めて大きな変動を起こすアルゴリズムは、ほとんど全てがリアルタイム化したことになります。以後は異常なほどの順位大変動が起きにくくなり、対策の成果が良かったのか悪かったのか、すぐに判別できるようになるはずです。
つまり、Googleの進化により、SEO対策は「よりやりやすくなった」と言えるのです。
「裏ワザ」なし、努力が実を結ぶ「誰でもできるSEO」の時代に
以前のGoogleにおけるSEO対策は、「裏ワザ」で順位上昇、「落とし穴」にハマれば順位下落、といった、複雑かつある意味「バクチ感が強い」ものでした。
しかし現在は、そうした「裏ワザ」や「落とし穴」が無くなり、その代わり「誰にでもできる」SEO対策の積み重ねが順位上昇につながる唯一の方法となりました。
そんななか、長く更新されなかったペンギンアップデートも、今回ついに最新版4.0となりました。順位に極端すぎる影響を与える原因がまた一つ改善され、今は「」を「より多く重ねた」サイトこそがGoogle検索順位で勝つ、ごくわかりやすい時代が来た、と言えるでしょう。
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