[2015/05/02] (最終更新日 2021/06/22)
モバイルフレンドリーの影響はわずか「11%」? 展開後まとめ
大きな影響が予想されたモバイルフレンドリーアップデートの展開開始から、既に10日が過ぎ、海外・国内でも確認できるデータがまとまってきています。
海外SEOメディアの調査では、このアップデートで影響を受けたサイトの割合は「11%」とされています。海外と国内のデータを比較しながら、アップデートの影響の全容をまとめます。
目次
英語圏での状況:影響うけたサイト「11%」
パンダやペンギンよりも大きな順位への影響、との情報もあったモバイルフレンドリーアップデートですが、実際どの程度の影響が起こっているのでしょうか。
このアップデートで目立った影響(=PC検索とモバイル検索での、大きな順位の違い)が起きたかどうか、米SEOメディアがアンケートの形で調査したところ、本日14時時点の結果は次のようなものとなっています。
これによれば、順位が明らかに異なっているサイトは全体の約11%となっています。
逆に、順位が変わらない/ほとんど変わらない/(違いが)わからない、といったサイトの合計は、はるかに多い約87%を占めています。
国内の状況:namaz.jpデータから
一方国内では、アップデート展開があったと考えられる4月22日(=米時間では4月21日)から23日にかけて、モバイル検索の順位変動が比較的大きくなっていたものの、24日以降は安定を続けていることがわかっています。
namaz.jpの順位変動データをモバイル版とPC版で比較したグラフが、下図になります。
モバイル変動(赤)は23日にピークに達していますが、変動値は8.2位とさして高くなく、大変動と呼べるほどではありません。
また、一時的にモバイル検索の変動がPC検索を上回っていますが、24日以降はきわめて落ち着いており、最近はPC検索(緑)の方が変動が大きくなっています。
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影響、予想よりはるかに小さい
このように、英語圏でも、日本国内でも、モバイルフレンドリーアップデートの影響は「予想よりもはるかに小さかった」と言えます。
このアップデートの展開完了には「1週間以上かかるかも」とGoogleは語っていますが、展開から10日以上経過した本日、英語圏もしくは日本の、少なくともいずれかには展開が行われていると思われます。となると、展開の遅れで影響が出ていない、ということでもなさそうです。
もちろん、今後展開が進み変動が拡大することもありえますが、モバイル検索で大変動が起きる可能性は低いかもしれません。
「変動しないアップデート」の目的は
さて、大きく順位を変えないにも関わらず、多大な手間をかけてモバイルユーザビリティアップデートを実施したのは、なぜなのでしょうか?
それは、Googleがスマホユーザを取り込むための戦略と関係がありそうです。
Googleは、増加を続けるスマホユーザにGoogle検索を使ってもらえるよう、様々な策を講じています。しかし、多くのサイトがスマホ未対応だと、Google検索を使うスマホユーザは目減りするかもしれません。
なのでGoogleは、多くのサイト管理者にスマホ対応を促そうとした、と思われます。つまり、モバイルユーザビリティアップデートと、数か月も前から行われた詳細なスマホ対応化のサポートです。
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スマホ対応サイトは「4.7%増加」
こうしたことで、多くのサイトが急いでスマホ対応を行いました。その成果として、アップデート展開当日の4月21日、Googleは「この2ヶ月でスマホ対応サイトが4.7%も増加した」と発表しています。
インターネットの全てのサイトの4.7%なら、非常に大きい数字と考えてよいでしょう。これだけ多くのサイトをスマホ対応させられたことで、Googleは、モバイルユーザビリティアップデートの戦略は成功した、と考えているかもしれません。
「変動しないアップデート」でGoogleが得たもの
今のところGoogleは、モバイル検索結果の順位を、スマホ対応の有無だけで大きく変動させてはいません。これは、スマホ検索ユーザでも、求めるものは結局「スマホ対応されたサイト」ではなく「求める情報が載ったサイト」だから、だと考えられます。
ユーザ目線では、内容を問わずスマホ対応というだけのサイトが検索結果上位を占めていても不便なだけで、スマホユーザのGoogle離れは進むばかりでしょう。
このモバイルユーザビリティアップデート周りの戦略で、Googleは、大量の掲載サイトのスマホ対応化、さらにはユーザへのモバイル検索に対する注意喚起も果たしたと思われます。
しかしGoogleは、モバイル検索の状況にまだ満足していません。現在さらに、低速モバイルネットワーク向けの軽量版Googleモバイルや、モバイル検索の各種デザイン改善も行っているとの情報があります。たとえ大変動が起きないとしても、Googleモバイル周りの情報収集は、今後も行った方がよさそうです。
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