Googleのページランク(PageRank)、ついに「絶滅」

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[2016/04/18] (最終更新日 2021/08/24)

Googleのページランク(PageRank)、ついに「絶滅」

Googleが検索順位を決めるために使っている「Googleページランク(PageRank)」の外部向け情報公開が、このたびついに停止されました。

ページランク(PageRank)とは、全てのWebページをGoogle独自の評価方法で、0~10の11段階にスコアリングしたものです。これは検索順位と極めて強い関係を持つものであり、SEO対策では非常に重要な指標となっていました。

かつては、Googleが無償配布していた「Googleツールバー」などで様々なサイトのページランクを知ることができましたが、そのツールバー上の情報も2013年にはデータ更新が停止され、ついにそのデータの取得すらできなくなっています。
Googleのページランク(PageRank)、ついに「絶滅」


ついに公開停止となったページランク、経緯は

2016年4月、アメリカと日本国内で確認不可能に

2016年4月、上述の「Googleツールバー」、もしくはその他のどんなツールを使っても、ページランクデータを確認できなくなっていることが、米SEOメディア「サーチエンジンラウンドテーブル」の記事新しいタブで開くで確認されました。

当SEO Packブログで国内の状況を確認したところ、本記事執筆時点で、国内のページランク確認ツールが動作していないことを確認しています。(下図)
20160418-pr-extinct-cap3

2016年3月、ページランクの一部消滅の報道

なお、今回機能停止が確認される一ヶ月前となる2016年3月8日、米SEOメディアのSEMポストで、「Googleツールバー」のページランク取得機能が「動いていない」ことが報じられていました新しいタブで開く

記事中の報道キャプチャでは、ページランクが表示されているはずの部分がグレーになっており、ポインタを重ねると「ページランク情報が取得できません」 (No PageRank information available) と表示されるようになっています。

本来であれば、この場所に、ページランクの大小を示す緑色のゲージが表示されていたはずです。

この時点では、サイトによっては、まだ緑色のゲージでページランクを取得できる場合もあったようです。しかし、こうした手段でページランクを確認できる範囲は、この頃から急速に少なくなっていました。

「ツールバーからは消滅」Googleが公式コメント

各国で報道記事が相次いだ状況を受け、Googleは、twitterアカウントを通じて次のコメントを発表しました新しいタブで開く

SEMポストの記事にコメントを寄せたとおり、ツールバーのページランクが消滅したのは、事実です。

Googleからの公式声明に加え、どんなツールをもってしてもページランクが外部から確認できなくなった事により、SEOの重要指標とされてきたページランクが、ついに「絶滅」したかのような様相を呈しています。

しかし、ページランクは本当に「絶滅した」のでしょうか?

外からはわからなくなったページランク

もともと、ページランクとSEO対策の関係は、下記のようなものでした。

  1. 多くの被リンクが集まったサイトには高いページランクがつく
  2. ページランクの高いサイトからリンクされると、自サイトのページランクも上がる
  3. 自サイトのページランクは、Googleによる全ページランクデータの「更新」で上下する
  4. 年に数回の「ページランク更新」までに自サイトのリンク状況を改善(=SEO対策)すれば、より高い順位に表示できる

こうしたなかで、自分のWEBページのページランクを確認したり、どんなサイトからリンクを獲得すればよいかを考えるために利用されてきたのが、前述の「Googleツールバー」のようなページランク取得ツールです。

かつてはページランクデータの「閲覧」はできたが・・・

しかし2013年、Googleは、Googleツールバーなどで表示するページランクデータの更新を、停止してしまいました。つまり「何度調べても同じページランクのまま」になってしまったのです。

このことにより、自サイトの被リンク状況がGoogleにどう評価されているのか、自分のサイトがどれくらいSEOパワーを持っているのかが、簡単にはわからなくなってしまいました。

ただ、データの更新が止まってしまっていたとはいえ、Googleツールバーなどを使えば、(おそらくは過去の)ページランクデータは取得することができていました。そのため、SEO担当者やウェブマスターは、その、おそらくは古いページランクデータを参考に、SEO対策の計画を立ててきました。

古いページランクすら非公開に、SEO評価が「ブラックボックス化」

その古いページランクデータすら取得できなくなってしまったのが、今回の変化です。これで、どんなページがどのようにGoogleに評価されているのか、過去のデータすらわからなくなってしまいました。

つまり、Googleが順位決定を行う際の被リンク評価が、完全に「ブラックボックス化」し、私達のような外部の者に全くわからなくなってしまったのです。

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ページランクは「消えた」のか?

ただ、Googleツールバーやその他ツールでのページランク表示が消滅したからといって、ページランク自体が「絶滅」したわけではありません。

被リンクに対する評価がブラックボックス化し、外部から確認する事が出来なくなっただけで、ページランクはいまも、Googleが検索順位を決めるための指標として、検索エンジンの内部で使われているのです。(→2016/08/03続報記事新しいタブで開く

つまり、ページランクはいまも全く変わらず検索順位決定の重要指標であり、Googleはページランクを決めるために、いまも変わらず被リンクを重要なシグナルとして使用しているのです。

ページランクが見えなくなった今も、被リンクは最重要要件

ページランクが表示されなくなっても、変わらず被リンクが順位決定の最重要要件であることは、様々なGoogle超上級スタッフによる他のGoogleによる公式コメントでも、何度も確認されています。

Googleの公式コメントによると、検索順位決定で最も大きく評価されるのは、被リンク、そして高品質なコンテンツ、の2つです。次のような「SEO評価ピラミッド」の図を見ると、被リンクが順位決定の「基盤」になっていることがよくわかります。
20160330top3-chartv6

こんな情報には注意しよう

かつて「ページランク」という名で外部に公開されていた、Googleの被リンク評価が、このたびついに公開を停止されました。

これにより、WebページごとにGoogleのSEO評価がどうなっているのか、我々が簡単にデータを入手することは出来なくなってしまいました。

しかし、これは、データが外から見えなくなったというだけで、被リンク獲得とコンテンツ対策が最重要なのは、結局今までと変わらないのです。

根拠のない情報に注意:正しいSEO対策をしよう

今回の「ページランク公開停止」のニュース以降、SEO対策について、様々なサイトで様々な説が飛び交っています。しかし、Googleによる発言内容や公式コメントを載せた記事以外は、ほとんどが「根拠のない」うわさ話にすぎないことに、よく注意して下さい。

代表的なものとして、下記のような情報については、特にサイト管理者の方は十分に注意するようにしてください。

  • 被リンクはSEOにはもう無意味 →☓ウソ。むしろ最重要。
  • 「ページランク完全保証リンク対策します」 →☓ウソ。データ非公開のため虚偽表示。

ページの順位を上げるには、狙った検索ワードごとに、「適切な本数の被リンク対策」、そして「適切なコンテンツ対策」の、両方が必要です。

ページランクが確認できなくなったからといって、これらのSEO対策が不要になったと勘違いせず、必ず「正しいSEO対策」を行って、サイトを強化するようにしましょう。

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