[2016/06/27] (最終更新日 2021/06/29)
RankBrainはランキング要因だが「対策不可能」?/Google発言
Googleの検索アルゴリズム「RankBrain」が、検索順位を決定はしているものの、サイト順位を上げるためのRankBrain対策法はない、と発言しました。
このほかにもGoogleは、RankBrainについていくつかの重要な発言を行いました。以前から非常に重要なランキング要因だと公言されるこのアルゴリズムにつき、重要な発言内容を紹介しつつ、SEO対策との関連を解説したいと思います。
目次
RankBrainの今、Googleから多くの情報
シアトルで開催されたSMX(検索マーケティングエキスポ)で、Googleのスポークスマンであるゲイリー・イエーシュが、RankBrainとSEO対策の関連について多くの質問を受ける一幕がありました。
このQ&Aのうち、とくに重要なポイントを以下で紹介します。
RankBrainは検索ランキングの決定要因である
Googleはかつて、被リンクとコンテンツに続く「3つめに重要」なランキング要因がRankBrainである、と明かしていますが、今回もゲイリーは、検索ランキングにおいてRankBrainが、変わらずランキング要因であるとコメントしました。
以前言ったことを繰り返すが、RankBrainはランキング要因だ。
RankBrainにキーワード詰め込みなどは通用しない
また、RankBrainは文章の意味がわかるため、今後は例えばキーワード詰め込みなどの手法がますます通用しなくなると考えられます。これについてゲイリーは、下記のように発言しました。
RankBrainは、ロングテール検索クエリや、見たことのないようなクエリの処理に最適な機能だ。
例えば「マリオブラザーズを攻略本なしでクリアできるか」といった検索クエリに対して、RankBrainがないと、変な回答が出てくる。でもRankBrainがあれば、的確な検索結果を表示できるということだ。
RankBrainは文章の「意味」を理解し、重視します。今の例だと、実際に「マリオブラザーズを攻略本なしでクリアできるかどうか」を判断して、検索結果を決めます。このとき、コンテンツに「マリオブラザーズ」という語が多いかどうかは、ほとんど評価されないでしょう。
RankBrainは「スコアリング」を行わない
ゲイリーは、新しい順位評価アルゴリズムであるRankBrainには、従来のアルゴリズムが行うような「スコアリング」(採点)はしない、と発言しました。
従来の他のアルゴリズム、例えば被リンクやコンテンツであれば、リンク本数や文章の量と質が、採点の対象になります。それぞれに「ここは50点、あっちは30点」と点数付けされるのです。
しかし、RankBrainにはスコアがないといいます。単純な「点数」では判断せず、クエリの意味とコンテンツの意味を理解して検索結果を返す、という、まさに人間の知能に近い処理を行っているため、単純に点数の大小によったサイト評価方法ではない、ということです。
RankBrain対策は「できない」?
さらにゲイリーは、RankBrain対策をして順位を上げる方法はない、とコメントしました。詳細な発言は以下です。
RankBrainは、サイト側が最適化をする必要などないようなアルゴリズムだ。 … コンテンツを自然な言葉で書いてさえいれば、もうRankBrain対策は完了、となる。(無理に対策しようとして)キーワード詰め込みなんかしたところで、ロクなことにならない。
… RankBrainに対して、最適化できるようなことはない。
you don't optimize for rankbrain. It's just another signal that serves better results for intent #smx #SMXadvanced Google AMA
— Steven Pope, MBA (@NewAgeMarketer) 2016年6月23日
本当に対策方法はないのか
ゲイリーはこのように言っていますが、これは彼の立場上の物言いと考えたほうがよいでしょう。つまり、検索順位を上げるためのRankBrain対策はある、ということです。
ただし、対策内容は真新しいものではなく、通常の基礎SEO対策のひとつ、つまり高品質なコンテンツの作成となるはずです。
手の内を明かしたくないGoogle
今回のQ&Aの文字起こし記事(原文英語)を読むとわかりますが、ゲイリーは会話の途中で「色々聞いてるが、どうせ君たちは、RankBrainの仕組みや価値ではなく、SEO対策への利用法を知りたいんだろ・・・?」という雰囲気を出します。
Googleスポークスマンという立場上、ゲイリーは、RankBrainを利用して順位を上げられるような「手の内」を明かしたくはありません。そのため、少々ネガティブなニュアンスでの「無理に対策してもロクなことにはならないよ」といった先の発言につながるのでしょう。
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重視されるRankBrain対策3つ
未知の検索クエリの「意味」を理解して「意味」のあるコンテンツと結びつける、というRankBrainの性質の通り、コンテンツの品質が大きく影響することは、火を見るより明らかです。
意味を捉えるアルゴリズムであることから、もはや、コンテンツ内のキーワードの多さ(出現回数や頻度)などは、かなり重要視されなくなるはずです。それよりも、下記のような点が重視されるようになるでしょう。
- コンテンツテーマが明確(これは●●についてのページ、とわかる)
- 読んで意味が通っている
- コンテンツの意味がわかるのに十分な分量がある
優先順位を考えたSEOがますます重要に
これらの方法は、とくに真新しいSEO対策ではありません。
しかし今後、RankBrainをはじめとするGoogle検索の洗練・進化とともに、こうした以前と変わらない基礎SEO対策、すなわちコンテンツ対策と被リンク対策の2つが、ますます重視されることは確かと言えます。
一方で、しばしば話題にのぼる、過度なテクニカルSEOは現れては消えてゆくと考えられえます。ビジネスサイトのSEOを行う際は、どんな対策が順位に直接影響するか、優先順位を考えながら行うようにしてください。
【参考】検索ランキングに直接影響する、SEO対策「評価ピラミッド」
→【詳解レポート】ついに公式発言、Google検索順位の最重要2要素とは
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