[2016/07/14] (最終更新日 2021/06/29)
「長文SEO」、本当に効く?/Google情報から考える文字数と対策法
SEO対策には、コンテンツ(ページの本文)の質と量が重要、と言われます。とくに昨今では「コンテンツの量」が順位を大きく左右すると言われています。
検索順位を上げるには、コンテンツをできるだけ長くするべき、と言われることがあります。
しばしば「長文SEO」とも呼ばれる手法ですが、本当なのでしょうか?
これについて、2017年3月9日、Googleが直々に「長ければ良いというものではありません」とコメントを出しました。
Googleが発したコメントの内容は、次のようなものです。
知っていましたか?コンテンツが短くても順位は上げられます。
「とにかく長文なら順位が上がる」なんてことは、ありません。参照:Googleゲイリー・イリェーシュ氏のツイート、翻訳は筆者
無理な長文化はケガのもと
コンテンツを長く書くと、一般的には、コンテンツの内容が豊かになる為、順位を上げたい時にコンテンツをできるだけ多く書いてみよう、という方法も、ひとつの方法としては「アリ」なのです。
しかし、ある程度コンテンツを追加した後は、突然コンテンツを追加する事が大変になるはずです。なぜなら、「もう書くことがなくなる」からです。その状態から更に長文化しようとすると、既に書いてある話題を言い回しだけ変えて追加したり、気づかずに同じことを書いたりしてしまいます。
そんな文章は「無駄に長いだけ」で、文章の中身はむしろ劣化することすらあります。
目次
Googleは2016/07/08、「コンテンツの文字数を評価する検索アルゴリズムは、ない」とコメントし、大きな話題となりました。
「長文」なら高評価となる?
GoogleオンラインQ&Aイベントで、Googleのスポークスマンであるジョン・ミューラーは、あるウェブマスターから「SEO代理店から、文字数の多い長文記事でないとSEOができないと言われたが、本当か」といった質問を受けました。
ミューラーはこれに対し、そもそも、Googleが本当に長文を高評価するのか、という点から、詳しく説明しました。
Google「文量を見るアルゴリズム無い」
ミューラーからの回答は、次のようなものでした。
Googleには、例えば「100語以下じゃダメ、200から500語ならOK、500語以上で画像も多ければ最高」みたいな、そんなアルゴリズムはない。Googleはそのようには見ていないんだ。
Googleはページ全体を見て、それが本当に他より優れていてユーザの検索意図にかなったものかを評価している。そんなページでさえあれば、文章の長短、画像の量などは好きにしていい。
参照:Google Webmasters Hangout、以下同
Googleには意外なことに、文字量を順位評価に加えるようなアルゴリズムはそもそも存在しない、というのです。
「Google対策よりユーザー対策を」とGoogle
つまり「文字数をGoogleは見ていない」ということです。さらにミューラーは、Google対策よりもユーザー対策に意識を向けるべきだ、として、次のように語りました。
本当に大事なのは、ユーザーへのA/Bテストなどで、コンテンツ品質を何重にもチェックすることだ。Google消費者アンケート(Googleの有料調査ツール)を使うのも手だ。これならコンテンツへの反応を素早く調べられるだろう。
とにかく、考えるべきポイントは、ユーザー対策だ。Google対策ではない。
実際のSEO結果とは食い違い?
このミューラーの回答は、いわば「模範的な」Googleの回答です。
しかし、この説明を聞いてもなお、こう考える人が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
「そうは言っても、実際に順位が上がっているのは長文記事が多いぞ…?」
Googleは何かウソか適当なことを言っているのでしょうか?
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結論:「長文SEO」効果はキーワード次第
当社ではたいへん多くのサイトのSEO対策を見ていますが、それらの実績も加えて結論付けるならば、最も正解と言えるのは
だと考えられます。その理由を以下に説明します。
豊富な情報が求められるワードなら「長文SEO」
たとえば「マンション 購入 ポイント」というワードでGoogle検索してみましょう。結果画面の上位掲載サイトは、どれも長文もしくは豊富なコンテンツのポータルトップなどです。
順位がこうなるのは、この検索ワードのユーザーが「豊富な情報」を求めているからです。それがあるページは当然長文で、かつユーザーニーズに応えているため順位が上がります。
こうしたワードだと「長文SEO」の効果は大きくなります。逆に、文字数の少ないページでの上位化は難しいでしょう。少ない文字数で「豊富な情報」を届けるのは難しいからです。
簡潔な情報が求められるワードなら、効果は限定的
一方、たとえば「速さ 単位 表」というワードで検索すると、上位ページは長文ばかりではなく、逆に速さの単位表だけの、本文が少なく簡潔なページが掲載されています。
※ヘッダやサイドバーなど共通メニューはコンテンツではなく「本文の文量」には含みません。
これは、このワードでの検索ユーザーが、長文の説明ではなく、簡潔に整理された情報源を必要としているためです。
こうしたワードでは、ただむやみに「長文SEO」しても順位が上がるとは限りません。情報が簡潔明瞭でないと、多くに検索ユーザーにとって役に立たないからです。
「長文SEO」が必要なケースを見極める
このように、実際の検索結果を見ると、「長文SEO」の効果は、ユーザーが求める情報によって異なる、ということがわかります。求める情報はキーワードによって異なるため、「長文SEOの必要性はキーワードによって異なる」とも言えます。
そのため、コンテンツ分量を決める際は、検索キーワードごとのユーザーニーズを調べる必要があります。最もかんたんかつ有効な方法は、次に説明する「競合サイト調査」です。
競合サイトを調査しよう
例えば、あなたが「マンション 購入 ポイント」で上位表示したい場合は、このワードで実際にGoogle検索し、上位掲載(1~2ページ目)されている他のサイトの内容を見てみます。
この、SEOしたいワードで既に上位掲載されているサイトがあなたの「競合サイト」です。そして、上位の競合サイトの内容を見ると、検索ユーザーが求めるコンテンツやその文字数の目安を、自分の目で確かめることができます。
例えば、上記の「マンション 購入 ポイント」の競合サイトは、ほとんどがコンテンツの豊富な長文ページでした。そのため、ここで上位表示するには、自分のサイト/ページでも豊富なコンテンツで「長文SEO」する必要がある、とわかります。
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ニーズさえあれば「長文SEO」だけでOK?
さて、ユーザーが「豊富なコンテンツを求めている」とわかれば、後はひたすら「長文SEO」だけで上位表示できるのでしょうか?
残念ながらそうとは限りません。
そもそも、Googleはコンテンツ評価だけで順位を決めるわけではないからです。
みんなが「長文SEO」すると、どんぐりの背比べに
例えば、先ほどのワード「マンション 購入 ポイント」で豊富な情報が必要となると、他のサイトもみんな「長文SEO」を行い、結果、情報量が同程度のページがたくさん生まれます。
そのため、コンテンツ評価だけで検索順位を決めるとなると、どれを上位にすればよいかGoogleは判断に迷うことになります。そのためGoogleは、さらに他のポイントも順位評価に加えます。
上位掲載にはコンテンツと「引用」の数が重要
ここでGoogleが評価に加えるのが、検索ユーザーからの「引用」の数です。検索ユーザーが、「あのページは役に立つ」とブログなどであなたのページにリンクを貼る(=引用)と、Googleは「このページはユーザーからも評価が高い」と判断するのです。
この「引用」の多さが、コンテンツと並ぶ、もう一つの重要なGoogle上位掲載条件となります。インターネットにおける「引用」とは主にリンクのことを指し、リンクの多さが上位掲載に直接影響することになります。
コンテンツの作りこみには力を入れているのに、この「引用」の効果を軽んじてしっかり対策せず、結局、低い検索順位にとどまったまま、というサイトは、案外たいへん多く見られます。
結論:「長文SEO」だけで済ませない
ユーザーが豊富な情報を求めているワードであれば、「長文SEO」は効果的です。とくにビジネスサイトでのSEOでは、豊富な情報が求められるケースは非常に多く、むしろ上位掲載の必須条件と言えるでしょう。
しかし、長文コンテンツを書いただけではSEO対策とは言えないのが実情です。競合にビジネスサイトが多いほど、他社サイトはコンテンツのみならず、リンク対策も万全にしているケースがほとんどです。
とくに、初めてSEO対策を行うビジネスサイトの場合、長文SEOなどコンテンツ対策だけでは太刀打ちできないことに注意する必要があります。最初のSEO対策の場合は、個別で対策を整えるよりも、リンク対策支援からSEO必須ツールまで一括で利用できる総合SEOパッケージ SEO Packが役に立ちます。
SEO対策ではくれぐれも、部分部分で済ませてしまうことなく、必要な基礎SEO対策をバランスよく整えることに気をつけてください。順位に最も直接効果があるのが、こうした基礎SEOの整備になるからです。
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