[2016/10/21] (最終更新日 2017/03/29)
HTTPS化で順位上昇の条件は「URLの文字」/Google明かす
Googleは、セキュリティレベルの高い「HTTPSサイト」の検索ランキングを上げると公言しています。そのため今では、大変多くのサイトがHTTPS化しました。しかし実は、どんな場合に「HTTPSサイト」と判定され、どの程度順位上昇するのか、はっきりとしていませんでした。
この点を先日、米のSEOジャーナリストがGoogleに直接質問したところ、判定基準やHTTPS推進の内幕について明かしました。順位上昇するHTTPSサイトの条件はなんと、「URLの最初の5文字」にあるというのです。
目次
HTTPS化すれば順位上昇、その条件は?
Googleは「インターネットをよりセキュアに」したいと考えており、そのためHTTPS化を推進してきました。
HTTPS化を推進する一環として、Googleは「HTTPS化したサイトの検索ランキングを少し上げる」と発表しています。小さな恩恵とはいえ、HTTPSサイトに特権を与えることで、より多くのサイトが対応してくれるようにと考えたのです。
HTTPS/SSL証明書の「種類」によって効果は違う?
ところで、HTTPS化には、「SSL証明書」の導入が必要です。これによりサイト上の通信を暗号化し、ユーザーがセキュアに情報をやりとりできるようになりますが、SSL証明書には様々なものがあり、ものによっては暗号化の「強さ」が比較的弱いなど、質に幅があります。
ここで気になるのが、「SSLの中身によって、検索ランキングの上昇度合いは異なるのか」という点です。GoogleはHTTPSサイトの検索順位を上昇させるとき、どういう基準を使っているのでしょうか?
URLの頭「https」なら同程度の効果
この判定基準について、米ジャーナリストがGoogleに質問を投げかけたところ、下記のような回答が返ってきました。
基準は、URLの最初の5文字だ。そこが「H」「T」「T」「P」「S」になっていて、検索ランキングにすでに掲載されているWebページであれば、少しの順位上昇効果がもたらされる。
とにかくHTTPS化されていればOK?
なんと、Googleは「URLの最初の五文字がHTTPSかどうか」しか判断基準にしていないとのことです。
こうなると実質的に、数十万円する高品質なSSL証明書だろうが、数千円のSSL証明書だろうが、順位上昇の度合いは同じくらい、ということになります。つまり、極端に言えば「HTTPS化さえされていれば中身はどうでもいい」ということです。
実際は低セキュアページでも「HTTPS扱い」に?
しかしこれだと、本当はセキュリティレベルの低いサイトなのに、順位が少々上がってしまう、ということも起きます。例えば米SEOジャーナリストが「httpsと書いているのにセキュリティの低いサイトがGoogleに出てしまっている」事例があると報告しています。
@JohnMu Wow, just checked a few urls that have content mismatch errors that aren't secure. They show up in Google w/https. @methode
— Glenn Gabe (@glenngabe) 2016年10月18日
判定の基準下げることでHTTPS化を加速したGoogle
ただ、Googleはこの事態を把握したうえで、あえてこのような「ゆるい」基準を設けているようです。
その理由は、HTTPS化を「よりイージーに行ってもらう」ため、とのことです。HTTPS化に高い基準をもうけてしまうと、安いSSLしか買えない会社などでは、そもそもHTTPS化自体が難しくなってしまいます。
こうしたハードルを下げるため、長い議論の末に「ゆるい」基準に決めた、と、HTTPS化プロジェクトを担当したGoogleのゲイリー・イリェーシュは語っています。
HTTPSはブラウザで確認できる
HTTPSの状況を簡単に確認する方法もあります。ChromeディベロッパーツールのSSL確認機能を使うと正しくSSL設定がなされているかを確認することができます。
HTTPS優遇、基準も効果も実は「ゆるい」
当ブログでは二年前、GoogleがHTTPS化を進めたいあまり、「対応さえすれば順位を上げます(、だから急いで対応せよ)」と脅しているとも言える、と記事に書いたことがあります。
そのため、Googleの思惑通り、多くのサイトがあわててHTTPS化を進めました。
しかしフタをあけてみると、実際の順位上昇効果はじつに小さなものでした。ただそのかわり、SSL証明書の質にかかわらず、HTTPS化したサイトのほぼ全てが、順位に(小さな)恩恵を受けられた、というわけです。
Googleはかねてから、順位上昇に最も大切な2大要素として「コンテンツ」と「リンク」を挙げています。
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