[2017/01/27] (最終更新日 2025/08/25)
新規ドメインはSEO対策で不利?メリットはあるか?
新しいビジネスや何かのプロジェクトを立ち上げる時、そのために新しいドメイン(URL)を取得してwebサイトを作ることがあります。ですが全くの新規ドメインはSEO対策で不利であると言われます。果たして実際のところ新規ドメインは不利なのでしょうか?
ドメインにあまり詳しくない初心者だと迷ってしまう事も多々ある問題です。
本記事で徹底解説します。
目次
新規ドメインでの順位上昇
一般的に、新規ドメインは検索エンジンでの順位上昇が遅くなる傾向があります。確かなデータはありませんが、新しすぎるドメインは上位化が有意にしにくくなるというケースが多く報告されています。「エイジングフィルタ」= 若すぎるドメインを弾くアルゴリズムがあるという仮説がSEO担当者たちの共通理解となっています。
エイジングフィルタとは?
エイジングフィルタとは、検索エンジンが新規ドメインに対して一定期間、評価を抑制する仕組みのことを指します。これは、スパムサイトや短期間で消えてしまう質の低いサイトが検索結果に上がってこないようにするためのアルゴリズム的なフィルタです。
具体的には、新しく取得したドメインでサイトを公開しても、しばらくの間は検索順位が上がりにくくなります。この期間は「サンドボックス」と呼ばれることもあり、数週間から数ヶ月、場合によっては半年以上続くこともあります。エイジングフィルタの期間中は、どれだけ良質なコンテンツを作成しても、すぐには検索エンジンから高く評価されにくいのが特徴です。
このフィルタが解除されると、徐々に検索順位が上昇しやすくなります。解除のタイミングは明確には公表されていませんが、サイトの運営歴や被リンクの質・量、コンテンツの充実度などが影響していると考えられています。
つまり、エイジングフィルタは新規ドメインにとって一時的なハンデとなりますが、地道にサイトを育てていくことで必ず乗り越えられる壁です。焦らず、継続的に良質なコンテンツを積み重ねていくことが重要です。
全く同じコンテンツであっても、ドメインが新しいという理由で上位表示が出来ないのであれば、短期的にみるとやはり新規ドメインはSEO対策をする上で不利であると言わざるを得ません。
そもそも新規ドメインは必要?
新規ドメインを取得する理由は何なのでしょうか。ドメインを取得するには端的にお金がかかりますし、管理すべき項目が1つ増えてしまうことを考えてもそれなりのコストであると考えるべきです。
また、現在他に運営しているサイトがあるのであれば、そのURLでサブドメインやサブディレクトリを活用するという手もあります。そうすればSEOに不利な新規ドメインをわざわざコストをかけて取得する必要が無くなります。
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新規ドメインはドメインパワーがゼロ
また、新規ドメインはドメインパワーがゼロの状態です。
ドメインパワーとは、検索エンジンから見たドメイン自体の信頼性や評価の指標であり、主に被リンクの数や質、運用期間、コンテンツの充実度などによって決まります。
ドメインパワーが高いほどSEO上有利に働くと考えられますが、新規ドメインはこれらの実績が全くないため、最初は検索エンジンからの評価が低くなりがちです。
しかし、ドメインパワーがSEOに大きな影響を与えるわけではない事を念頭に置いておくべきでしょう。
ドメインパワーを高める基本施策
ドメインパワーを向上させるためには、以下のような基本的な施策が重要です。
- 良質なコンテンツの継続的な発信
ユーザーのニーズに応えるオリジナルで有益なコンテンツを定期的に追加・更新しましょう。検索エンジンは価値ある情報を提供するサイトを高く評価します。 - 被リンク(外部リンク)の獲得
他の信頼性の高いサイトから自サイトへのリンクを獲得することで、ドメインの評価が上がります。自然な形で被リンクを得るためには、役立つ情報や話題性のあるコンテンツ作りが不可欠です。 - 内部リンクの最適化
サイト内の関連ページ同士を適切にリンクさせることで、クローラーの巡回効率が上がり、重要なページが評価されやすくなります。 - サイトの運用歴を積み重ねる
長期間にわたり安定して運用されているドメインは、信頼性が高いとみなされやすくなります。焦らず継続的にサイトを育てていくことが大切です。 - サイトのセキュリティ対策
SSL化(https化)やセキュリティ対策をしっかり行うことで、ユーザーと検索エンジンの両方から信頼されるサイトになります。 - モバイルフレンドリー対応
スマートフォンやタブレットでも快適に閲覧できるよう、レスポンシブデザインを導入しましょう。Googleもモバイル対応を重視しています。 - ページ表示速度の改善
サイトの表示速度が遅いとユーザーの離脱率が高まり、SEO評価にも悪影響を及ぼします。画像の最適化やキャッシュの活用などで高速化を図りましょう。
これらの施策を地道に積み重ねていくことで、ドメインパワーは徐々に向上していきます。短期間で劇的に上がるものではありませんが、コツコツと信頼を積み重ねていくことがSEO成功の近道です。
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新規ドメインのメリット
それでも新規ドメインを取るべき状況はあります。たとえば全く新しいプロジェクトを、長期的な視野を持って始めるのであれば、新規ドメインで一からブランドを確立していくのが良いでしょう。
新規ドメインであれば会社名やブランド名、プロジェクト名などで取得する事ができる(ドメインが空いていれば)ので、ドメイン名を覚えてもらいやすくなるというメリットがあります。
既存のURLでサブディレクトリを使うのは、ある意味では楽ですしお手軽です。しかし一般のユーザーはそのようなスキを見透かすものです。運営する側の気持ちとしても、新しいドメインで何かを始めるほうが、潔い気持ちでビジネスに臨めるのではないでしょうか。
期待をかけてプロジェクトを始めるのであれば、多少のコストを払っても新規ドメインを取得することをおすすめします。
中古ドメインやドメイン変更ではどうか?
新規ドメインが手放しで喜べる施策ではないとして、中古ドメインやドメイン変更ではどうでしょうか。
中古ドメインやドメイン変更を活用する場合、SEOの観点からは以下のようなメリット・デメリットがあります。
中古ドメインのメリット
- 被リンク資産を引き継げる可能性
中古ドメインは過去に運用されていた履歴があるため、良質な被リンクが残っていれば、そのSEO効果を引き継げる場合があります。これにより、新規ドメインよりも早く検索順位が上がることが期待できます。 - エイジングフィルタの影響が少ない
既に一定期間運用されていたドメインであれば、エイジングフィルタの影響を受けにくく、インデックスや評価が早い傾向があります。
中古ドメインのデメリット
- 過去のペナルティリスク
以前の運用者がスパム行為やブラックハットSEOを行っていた場合、Googleからペナルティを受けている可能性があります。その場合、検索順位が上がらない・インデックスされないなどのリスクがあります。 - 被リンクの質が不明
一見多くの被リンクがあっても、質の低いリンクが多いと、逆にSEOに悪影響を及ぼすこともあります。
ドメイン変更(リダイレクト)のメリット
- 既存サイトの評価を引き継げる
301リダイレクトを正しく設定すれば、旧ドメインのSEO評価や被リンクの効果を新ドメインに移すことができます。ブランド名変更やリブランディング時に有効です。
ドメイン変更(リダイレクト)のデメリット
- 一時的な順位下落
ドメイン変更直後は検索順位が一時的に下がることが多いです。リダイレクトの反映や評価の移行に数週間~数ヶ月かかる場合があります。 - リダイレクト設定ミスのリスク
301リダイレクトを正しく設定しないと、SEO評価がうまく引き継がれず、アクセスや順位が大きく落ちることがあります。
このように、中古ドメインやドメイン変更にはSEO上のメリットもありますが、リスクも伴います。中古ドメインを選ぶ際は過去の運用履歴や被リンクの質を必ず調査し、ドメイン変更時はリダイレクト設定を慎重に行うことが重要です。
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新規ドメインのSEO対策
様々な懸念はありますが、それでも新規ドメインの取得を決めました。さらにここで新規ドメインを取得するサイトのSEO対策をしたいという時にはどうすれば良いのでしょうか。
すぐに成果を出すのは難しい
最初に述べたように、新規ドメインが検索エンジンで評価されるまでには時間がかかります。他のサイト並みに評価されるまでには短くて2ヶ月、長くて1年と様々なケースがありますが、いずれにせよそれなりの時間を要するという事実は変えられません。
既存サイトからの力を借りる
それでも出来るだけ早く上位化させたい時には、SEO対策の基本である被リンクを使います。もし既存のサイトでそれなりの運営年数があり、検索エンジンからも評価されているのであれば、そこから新規サイトへのリンクを設定すると良いでしょう。
質の良い被リンクを受けている事によって、新規サイトであっても検索エンジンからの信頼が高まります。もし手持ちで既存サイトがないのであれば、有料SEOサービスで被リンクを獲得することも検討すると良いかもしれません。
ユーザーの役に立つコンテンツを増やす
検索エンジンに評価されるまでに時間がかかる、ということは見方を変えれば「いつか評価されるときが来る」ということでもあります。大切なのはその来るべき日までに十分な戦力を持ったサイトが出来ているかどうかなのです。
その時に鍵になるのが「ユーザーが求めるコンテンツ」の有無です。検索エンジンはサイトを評価する際に「コンテンツの質」を非常に重視するようになってきています。どんなコンテンツが評価されるかを調べるためには上位サイトの傾向を分析すると良いでしょう。1サイトづつサイトを確認していく事が望ましいですが、なかなか困難な作業となりますね。そこで、自動で上位サイト傾向を分析してくれる「seodoor」のようなSEOツールを利用すると便利です。
粛々とした積み重ねだけが成果を生む
webサイトのSEO対策には粘り強さが必要です。リンクを獲得しながら、粛々と検索ユーザーが欲する内容が盛り込まれている良質なコンテンツを磨き上げていくことが検索エンジンからの評価を獲得するポイントです。特に新規ドメインで制作・公開したてのサイトだとなかなか順位が上がらずもどかしい思いをするかもしれませんが、中長期的な視点で粘り強く頑張っていきましょう。

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