[2014/08/08] (最終更新日 2021/06/21)
新しいアルゴリズム:ピジョンアップデートとSEOの今後
Googleが新しいアルゴリズム「ピジョンアップデート」をリリースしました。このアップデートは現在(8月6日時点)米の英語検索のみに適用されているようですが、この記事では、ピジョンアップデートの内容から、今後のGoogle検索やSEOについて考えてみようと思います。
米だけに導入された新しいローカル検索アルゴリズム
ピジョンアップデートというのは、米のSEOメディア「サーチエンジンランド」が独自に名づけた名前で、Google側は単に「新しいローカル検索アルゴリズム」と呼んでいるようです。
Googleの呼び方を見ると明らかなように、このアップデートは「ローカル検索」つまり地図や地域のデータと関連付けした結果を表示する検索アルゴリズムの更新になります。
例えば「札幌 居酒屋」と検索すると検索結果に地図が出てきたり、「コンビニ」と検索すると、検索した場所の近所のコンビニを検索してくれます。これが「ローカル検索」の機能です。この機能が更新・強化されたということです。
ローカル検索と「セブンパック」機能
ピジョンアップデートが適用された検索結果は、以前とはいくつかの点で異なっています。もっともよく話題に上っているのは、「セブンパック」と呼ばれる機能の改変です。
セブンパックとは、地名を入れた検索でしばしばまとまって表示される下記のような情報パーツのことです。下記は「札幌 居酒屋」の検索結果に表示されたセブンパックです。
ピジョン以前は、セブンパックは、通常の検索結果とは独立して機能していました。というのは、例えばセブンパックにある居酒屋Aの情報が通常の検索結果にももう一度表示されたりしていたのです。
この場合、検索結果に居酒屋Aの情報が2つ重複してしまうことになりますが、そういうことは気にせずセブンパックが表示されていた、ということです。
しかしピジョンアップデートで、この状況が若干変化しました。この変化についてGoogleは「通常の検索結果とローカル検索をより密接に関連付けたことで、役に立つ的確なローカルサーチができるようにした」と述べているようです。(via Search Engine Land)
上記の米Search Engine Landで、具体的にどう変わったのかの説明がありました。
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具体的な変化
具体的には、ピジョン以後の米検索では、このセブンパックの表示に下表のような変更が起こったそうです。
検索語(日本語訳) | ピジョン導入以前 | ピジョン導入以後 |
---|---|---|
中古車 | セブンパック表示(7件) | セブンパック表示(7件) |
中古車 ルイヴィル | セブンパック表示(7件) | セブンパックなし |
中古車 ルイヴィル KY※ | セブンパック表示(7件) | セブンパック表示(3件) |
※検索語は本当は「used cars luisville ky」ですが、日本語に直しています。ルイヴィルは街の名前、KYは「ケンタッキー州」の略称です。(Greg Gifford調べ、Search Engine Landより抜粋し作表)
おそらく、下記のような考え方に基づくものと思われます。
- 通常の検索結果に地域の情報が出るような検索語の場合は、セブンパックは「出さない」あるいは「少なめ」
- 通常の検索結果に地域の情報が出なそうな検索語では、セブンパックを「7つ全部出す」
上表の例であれば、検索語に地名(ルイヴィル KY)が入っていればセブンパックは「出さない」or「少なめ」、地名が入っていなければセブンパックを「出す」ということのようです。確かに、これならローカル検索機能は以前より便利で機能的になっているように思われます。
また、セブンパック以外の通常の検索結果でも、順位決定のための条件に変更が行われたことにより、検索順位に若干の変更が起きているとの情報もあります。
ピジョンアップデートと今後のSEO
今現在では、日本の検索結果にピジョンアップデートは導入されていないとのことで、今後導入されるという情報もまだ得られていません。日本国内のSEOに関する限り、ピジョンアップデートを気にする必要はないようです。
しかし一方で、ピジョンアップデートの導入はGoogleが今向かっている方向性、すなわち、モバイル検索SEOの重要性がさらに増すという方向性を示唆している、と筆者は考えています。
近年のモバイル検索の増加は著しく、Google検索も、携帯の電波が通じる限りあらゆる場所で行われるようになっています。今回のピジョンアップデートは、検索ユーザの「現在地」と検索結果とを関連付けることでモバイルユーザに更なる利便性を提供するアップデートとも呼べます。
飲食店や地域特化型サービスの提供者は、Googleローカル検索やモバイル検索を強く意識したWeb運営にあたるべきでしょう。Googleプレイスへの登録などももちろんそうですが、もっと基礎的な、モバイル検索ユーザを狙ったターゲットキーワードでの内部・外部SEOや、モバイルでも使いやすいWeb構築により、ローカル型(地域密着型)ビジネスは今後さらに明暗を分かつようになるはずです。
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