[2016/06/08] (最終更新日 2021/07/30)
Googleが無視する「ゆっくり読み込まれるコンテンツ」と「見えないコンテンツ」
Googleは「ゆっくり読み込まれるコンテンツ」や、「見えないコンテンツ」を無視するといった報告があります。
無視するというのは、インデックスされないという事ですが、
「ゆっくり読み込まれるコンテンツ」や、「見えないコンテンツ」とは一体どういうコンテンツを指すのでしょうか。
一つ一つ確認していきます。
目次
ゆっくり読み込まれるコンテンツ
「ゆっくり読み込まれるコンテンツはインデクシングされますか?」というウェブマスターからの質問に、Googleが公式に答えましたが、その答えはなんと「いいえ」でした。
Googleは、検索結果にあなたのサイトを表示するために、一度コンテンツを読み取って、検索データベースに保存します。読み取りに来ることを「クロール」、検索データベースへの保存を「インデックス」と呼びます。
Googleはどんなコンテンツでもインデックスできるわけではありません。インデックスされないと検索結果に表示できるコンテンツがなくなってしまうので、SEO対策どころの話ではなくなってしまいます。
ゆっくりコンテンツを読み込むページはインデックスされない
Googleの上級スタッフであるジョン・ミューラーは、ウェブマスターとの公式チャットイベントで、「コンテンツがゆっくり読み込まれるモバイルサイトでは、コンテンツはちゃんとインデックスされるのか」と質問されました。その回答はなんと「いいえ」でした。
下記に、ミューラーの回答と、インデックスされるための対策法を紹介します。特にモバイルについての話が軸になっていますが、どんなサイトの管理者でも一読の価値があります。
Googleの回答
質問者:
Googleは、コンテンツがゆっくり読み込まれるモバイルサイトでも、同じようにクロールしてコンテンツを評価してくれるのでしょうか?
例えば当社では、モバイルからアクセスされた時は、ユーザーが画面をスワイプしてスクロールしてからコンテンツを読みこませるようにしているのですが。
ミューラー:
トリッキーなことをしていますね。デスクトップ版ページでコンテンツを全部Googleが取得できていたら、たぶんそっち込みでの評価をモバイル検索順位に反映すると思います。
もしモバイル版しかないサイトで、コンテンツがスワイプダウンした時しか現れないようなら、全てのコンテンツをGoogleが目にするチャンスはなくなる、と言ってよいでしょう。Googleボットがページを読み込む際に、なにか特殊なことをしていたら、ボットは全コンテンツを表示する方法が全くわからなくなるのです。
(例えば)タブクリックだと、コンテンツを読めます。(しかし)特殊な方法、つまり一定方向へのスワイプだとか特定の場所でのスワイプとか、こうしたものは全てGoogleボットにしてみればどうすればいいかわからず、実に難しいケースになってしまいます。
というわけで、このケースでは、(サーチコンソールの)Fetch as Google を使ったほうがいいでしょう。それで、Googleがどこまでコンテンツを見てくれるかわかるはずです。十分に読み込まれればそれでよし、あるいはどこか見逃しが出るかもしれません。たまに永久スクロールなんかを使うページがありますが、そういうところでGoogleはそうやってページを読み込むことがあります。コンテンツをもっと見たい時に、いくらでもスクロールできてしまうページの類です。
いずれにせよ、追加で出てくるコンテンツが、どういう形であれ別途インデクシングされたコンテンツであるなら、1ページ読み込んだだけで何にも見逃すことなくインデックスできるはずです。
こういう時は、自分がどんなコンテンツを配信しているのか、Googleボットは全てのコンテンツを読み込めるか、といったことを考えるべきだと思います。そうすれば、スワイプで出てくるコンテンツをGoogleボットが読めないとしても、そのうえでどうするかを意図的に判断できるはずです。
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裏ワザよりも正攻法で
質問者のサイトのような、スクロールで初めてコンテンツが出てくるようなモバイルサイトは、いっときよく見かけたように思いますが、最近はあまり見なくなりました。
これもおそらくはユーザビリティを考慮しての工夫だったと思いますが、Googleから見れば、少々「トリッキー」なようです。こうした裏ワザめいた工夫よりも、より確実にSEO評価を高める基礎SEO対策を済ませる方が、より効果は高くなります。
むしろ、今回のGoogle発言によれば、スクロールでコンテンツ表示といった工夫はインデックスされずGoogle検索に無視される結果となります。ユーザビリティを高めるのはそれ自体よいことですが、新しい工夫を試す際はサーチコンソールで確認したほうがよさそうです。
今回のミューラー発言を確認できる録画はこちらです。
見えないコンテンツ
見出しをクリックするとボックスが伸びて中身が表示される、「アコーディオン」コンテンツを使ったサイトは、少なくありません。
しかし、このアコーディオンの中身が「Google検索結果でインデックスされていない」という報告が、米SEOフォーラム WebmasterWorld.com で投稿されています。
自サイトの「もっと読む」パネルの中の、OnLoadイベント時に隠れているコンテンツが、もうGoogleにインデックスされていないようだ。
これはユーザフレンドリーな表示方法で、興味のないコンテンツのせいで不要なスクロールが発生しないようにしているわけで、おかしいと思う。
(中略)
OnLoad時に隠れる部分をコピペして(検索して)も、今はGoogleでは見つからない。以前はここもインデックスされていたんだけど・・・。
※“Google no longer indexing content in onLoad hidden sections?” – WebmasterWorld.com より引用、原文は英語。
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アコーディオンコンテンツが隠しテキストとして誤認されるケースも
こうした処理は、純粋にユーザの利便性のためによく採用されているようです。しかし一方で、アコーディオンコンテンツが、Googleからスパム(隠しテキスト)として誤認されるケースも、かねてからよく知られています。
スパムと誤認されないための方法は既に多く情報が出ているものの、そもそもGoogleがこの誤認の危険性をはらんでいることはGoogle側も自覚しているはずで、更なる対策の一つとして今回の方針変更に至ったとも考えられます。
つまり、最初から、隠れたコンテンツをインデックスしなければ、スパム誤認も発生しないだろう、ということです。
理由として考えられるもう一つのファクターは、GoogleがよりWebサイトの「見た目」を重視するようになった、ということです。
Googleが既に、ユーザの見た目(=ブラウザでレンダリングされた状態)を判別できるようになった事を踏まえると、基本的にユーザから見えないものは、もう評価には加えない、というGoogleの表明とも受け取ることができます。
クリックしないと表示されないコンテンツについてGoogleから声明
「クリックしないと表示されないコンテンツをGoogleが見ていない」可能性についてGoogleから声明が出されました。
Googleのジョン・ミューラーが、SEO専門家とのライブチャットで「(ユーザが)直接見れない情報は、(Googleの検索結果の表示対象としても)無視するようになっているはず」と発言しています。
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Googleはどう扱っているか
話題に上っているのは、下記のようなコンテンツです。
・クリックで枠が伸びてコンテンツが出てくるメニュー
・クリックやマウスオーバーすることでコンテンツが出てくるタブ
こうしたコンテンツがGoogle検索結果の表示対象やインデックス対象になっているかどうかについて、ミューラーは、下記のように発言しました。
我々からすれば、実際は隠れているコンテンツに(検索結果から)ユーザを誘導するのは、厄介な問題だと思っています。
一部のコンテンツが「ある」ものと考えたユーザが、そのページに行っても、そのコンテンツが直接見えないと「間違ったページに誘導でもされたのか」と感じるはずです。
こうした問題を我々は折に触れ把握していて、今では、そうした(中略)直接見ることができないような情報を、Googleの担当チームは、積極的に無視する方向で進めているはずです。
※English Google Webmaster Central office-hours hangout – Google Webmasters(動画、英語)より筆者が独自に翻訳
評価対象にならない?
ミューラーはこのライブチャットの時点でGoogleの担当チームからのコメントを得られていないようですが、いずれにせよ「ユーザが直接見えないコンテンツ」は
・検索順位の評価対象にはならない
・検索結果に表示されることがない
方向でGoogleが進んでいることは確かなようです。
ただし「=有害」ではない
しかし一方で、ミューラーは、こうした「直接見えないコンテンツ」が「有害」だとは発言していません。
そもそも、コンテンツを隠す目的が、必要なユーザにだけ必要な情報を見せるためなら、この場合はユーザビリティ向上に役立つもののはずです。
事実Googleも、Google自身の用意したコンテンツで「クリックで伸びて表示されるコンテンツ」を使用しています。
今後どうすればいいか
今回の発言を受けどうすればいいかというと、ウェブマスターは
・SEOへの好影響を期待するコンテンツ(テキストなど)は隠さない
・検索結果に出したい情報も隠さない
・上記いずれでもなく、全員に見せても意味がない情報は、隠してよい
と考えるのがよさそうです。
例えば、Amazon.comでは、タブや折り畳みメニューでリンクを隠していた時期もありましたが、今ではそうしたコンテンツは大分減ってきているようです。
これは、メニューテキストに含まれるSEOキーワードの力を無駄にしないための工夫とも考えられるでしょう。
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