[2014/12/09] (最終更新日 2021/06/21)
「53日間」のペンギン3.0展開で起きていること 最新まとめ
断続的な大変動が10日間にわたって続いています。これは10月17日に開始したペンギンアップデート3.0の影響とみられ、2か月近く経ってもアップデート展開が完了しないという異例の状況となっています。
本日もnamaz.jpの変動幅は14.7の「大変動」を示しており、順位の大きな上下動がまだ続く可能性もありますが、ひとまず、今日まで起きたことを整理しペンギン3.0の状況を概観してみようと思います。
目次
ペンギンアップデートと最新アップデート3.0
ペンギンアップデートとは、キーワードスパムや、自動生成コンテンツからのリンク、隠しテキストなど、Googleのガイドラインに反するウェブスパムを行うサイトの順位を下げるアルゴリズムです。
今回のペンギンアップデート3.0は、前回(ペンギン2.0)から1年以上が経過して展開されたものです。
昨年のペンギン2.0を振り返る
ペンギン2.0は、昨年2013年の5月22日に公式に展開開始したとされます。当時namaz.jpがとらえた大変動は、下記のようなものです。
日付の後の数値がnamaz.jp検知の変動幅、「大変動」の日は赤い字で示しています。
(2013年)
5月22日(変動幅12.8) ←ペンギン2.0展開開始
5月23日(12.2)
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比較的安定
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6月5日(13.6)
6月6日(14.0) ←ペンギン2.0展開開始から16日目
これによれば、展開開始の5月22日から翌日まで大変動が起こり沈静化、また6月5日に2日間の大変動が起き、開始から2週間程度で変動は沈静化しています。
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ペンギン3.0を振り返る
では次に、今回のペンギンアップデート3.0の状況の変化を順を追って振り返ってみます。
10月18日(6.7) ←1回目展開開始、米で大変動、国内は比較的安定
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比較的安定
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11月28日(7.7) ←2回目展開開始【1回目展開から42日目】
11月29日(15.1) ←国内でも大変動計測
11月30日(11)
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比較的安定
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12月3日(13) ←米でペンギン3.0影響下のサイト順位が「元に戻る」現象発生
12月4日(12.7) ←国内でも順位が「元に戻る」現象発生
12月5日(4.5)
12月6日(12.7)
12月7日(11.6)
12月8日(14.4) ←「元に戻った」サイトの順位が、さらにまた動き出す
12月9日(14.7) ←大変動続く【1回目展開から53日目】
この表によれば、10月18日の展開開始から53日が経過してもまだ変動が落ち着いていないことになります。
また順位変動も、一度動いては戻りまた動くといった風で、一定の傾向が見られません。
それぞれの流れを、順を追って以下に説明します。
変動前:はっきりしなかったペンギン3.0展開開始予定
10月2日、まだ変動もペンギン3.0の公式発表もなかったころ、Googleのゲイリー・イリーズが「次のペンギンアップデートは来週あたり」と発言します。このときイリーズは
「次のペンギンは、ユーザとウェブ管理者の両方を、暮らしやすくハッピーにするもの」
と語っていました。
しかしその翌週の10月10日、Googleのジョン・ミューラーが「あと数週間で次のペンギンがリリースになる」と語ります。
発言が一転したとはいえ、ペンギンアップデートは今月か来月かと、SEO界隈でも話題に上ることが多くなります。しかし、実際に次のペンギンがやってきたのは10月17日、数週間後ではなく、わずか1週間後でした。
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1回目大変動:米で大きな変動も日本では小さな影響にとどまる
米時間10月17日、アメリカのSEOメディアで大きな順位変動が起きたことが報じられ、後日、Googleはそれが「ペンギンアップデート3.0」の展開によるものだと認めました。
しかしこの1回目のペンギンアップデートは、米国圏での影響は大きかったものの、日本国内での影響は大きくなく、展開初日(日本時間10月18日)のnamaz.jp検知変動幅も6.7と、比較的小さな値にとどまりました。
もちろんペンギンによってペナルティを受けたサイトや、数位~十数位の順位下落が起きたサイトも見られましたが、全体から見れば比較的小さな割合で、逆に順位が上がったサイトも少なくありませんでした。
そしてその後、少なくとも日本国内では、大きな変動がないまま日が過ぎてゆきます。
沈静期:終わらないペンギン3.0展開、その傾向
11月3日、Googleのジョン・ミューラーは「まだペンギン3.0は展開の最中だ」と発言します。
1回目の展開開始から18日が経過していましたが、ややもすれば、国内全体では大きな影響がないままペンギン3.0が終わるのでは、という見方も出てきました。
なお、こうしたなか11月6日にはとくにペンギン3.0で下がったサイトに傾向があったことが、当社調査から発表されました。
ペンギン3.0で下がったサイトは、被リンクがない、もしくは、被リンクの質が悪く、相互リンク登録サイトや自動リンク増殖サイト、ワードサラダからなるサイトからのリンクを受けている、といったサイトがダメージを受けていました。
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2回目大変動:激しく繰り返す順位上下動
しかし11月27日(日本時間11月28日)、Googleの検索順位はまたも大きな変動を示しました。
Googleが公式に発言したことから、これもやはりペンギン3.0展開の影響であることが判明します。
米国で大変動が起きたほか、今回は11月29日にnamaz.jpも大きな変動幅を計測、日本国内にも大きな影響が出ていることがわかりました。
とくに、「一回目大変動で順位が大きく動いたサイト」で、下記のような現象が見られました。
11月29日(15.1) ←大変動計測
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12月4日(12.7) ←1度動いた順位が「元に戻る」現象発生
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12月8日(14.4) ←「元に戻った」サイトの順位がまた動き出す
12月9日(14.7) ←大変動継続(1回目展開から53日目)
展開開始の報から本日で実に53日目、今回のペンギン3.0は、異例の長期に渡る展開が行われており、また順位が上がっては下がり、また下がっては上がるような、特異な動きを見せています。
12月9日までの推移まとめ
上述のように、ペンギン3.0は前回から1年以上の長期間をかけて準備されたアップデートです。そのため米SEOメディアでは「ペンギン3.0は単なるアルゴ更新ではなく“書き換え”というべきものになる」とも報じられていました。
さらに言うと、この展開以降の53日間の間には、米Googleの検索結果でおかしな挙動が見られるなど、Googleが何らかのテストを繰り返し行っているような形跡も見られています。
これらを顧みるに、Googleは、冒頭引用した発言のとおり「ユーザとウェブ管理者の両方に喜びをもたらす」ため、今回のペンギン3.0展開に対してかなりの時間と労力を費やすつもりのようです。
しかし一方で、サイト管理者や米SEO専門家からは、困惑した声も聞こえてきます。ペンギン3.0の展開が完了し影響が落ち着くまでは、まだ先になる可能性もあります。
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