[2016/06/25] (最終更新日 2021/08/18)
ABテストでペナルティ?/Googleが警鐘
先日行われたGoogleのオンラインチャットイベントで、同じ経路のアクセスユーザーに違うコンテンツを見せる「A/Bテスト」についてGoogleに質問したウェブマスターがいました。
質問はA/Bテストの期間設定に関するものでしたが、それに対しGoogleは、質問への回答のほか、A/Bテストがペナルティに繋がりかねないケースについてもコメントしました。
目次
A/Bテストがペナルティにつながる?
ユーザーからGoogleへの質問はこういったものでした。
ユーザー:
大きなトラフィックを使って、A/Bテストを試しているところです。これらがGooglebot以外のユーザーエージェントには配信されてもGooglebotには配信されない、となったら、これはクローキング(偽装サイト)とみなされてペナルティになったりしますか?
A/Bテストを行う期間として、どれくらいが推奨されるのでしょうか?
クローキングとみなされるケース?
クローキングとは、普通のユーザーに見せるのとは違うコンテンツを、GoogleBotに見せるスパム行為の事を指します。例えばユーザーにはアダルトサイトを、GoogleBotには無害なブログサイトを見せるといったような行為のことで、これはGoogleによるペナルティの対象となります。
今回Googleに質問したユーザーは、GoogleBotに配慮しないとA/Bテストがクローキングスパムと見なされはしないか、どれくらいの実施期間なら問題なく済ませられるのか、と考えたようです。
Googleが注意事項コメント
これに対し、GoogleのSEO関連スポークスマンであるジョン・ミューラーは、次のように回答しました。
ミューラー:
Googlebotを他のユーザーと同じように扱うべきだ。 … GooglebotはUS(アメリカ)から訪問してくる。なので、(例えば)USのユーザーが来た時にA/Bテストを配信するなら、GoogleBotにも同じようにする必要がある。
期間については、テストの意味がある期間だけにしておくといい。データが取れた後の余計な期間にまでA/Bテストを続けるのはやめたほうがいい。 … これという具体的な期間・日数は提示できないが、サイトで必要な期間だけにしたほうがいい、ということだ。
常にA/Bテストをやっているようなサイトもあるが、そういうサイトは、1ヶ月テストしたら次は違うテスト、さらに次は違うテスト、と続けて別のテストをしているケースだ。これなら、問題ない。
それより何より、Googlebotにだけ違うコンテンツを見せるというのは、やめたほうがいい。
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A/Bテストの注意ポイントまとめ
ほとんどのサイトは、特にGoogleBotを特別扱いする設定などをしていないはずで、クローキングとみなされる可能性はまずないでしょう。しかし、ユーザーエージェントやユーザーの国籍・地域に応じてA/Bテストを行っている際は、注意が必要かもしれません。
とくに注意すべきなのは、USもしくは全地域に向け、ユーザーエージェントでフィルタされた特定のアクセス向けのA/Bテストを行っている場合でしょう。
設定に注意を
注意深く設定すれば問題は起きないはずですが、ひょんなことからGooglebot「以外」にだけ異なるコンテンツを見せ、結局Googlebotだけが特別扱いされていることになっていた、というミスも考えられなくはありません。
こうなると、Googleに発覚しだいクローキングのペナルティが課されることになります。少々入り組んだA/Bテストの設定時は気をつけるようにしたいところです。
A/Bテストは結果が出たらすぐ完了、もしくは次のテストへ
また、A/Bテストの実施期間ですが、「テスト結果がわかったら速やかに止めるべき」、ただ「違うテストを連続して実施するのであれば別に問題ない」とのことです。
同じA/Bテストを長い時間やっていたらどうなるか、という具体的な話は特にされていませんが、おそらく、Googleからのページの評価が半端なものになり、SEO評価が最大限に達しにくくなるように思います。
Googlebotを意識し、基礎から対策を
とにかく、Googlebotを特別扱いしたり、つまはじきにしたりすべきではありません。Googleは以前も、 GooglebotがUSからアクセスしてくることに触れつつ、この点を注意喚起したことがあります。
Googlebotの例にもれずテクニカルで細かなSEOなどを行っていると、しばしば設定ミスに遭遇することがあります。それよりも、 SEOのベースを作る基礎SEO対策のほうが優先度は高く、順位上昇効果も遥かに大きくなります。まずは基礎が整っているか、サイトを確認してみましょう。
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