[2016/10/24] (最終更新日 2021/07/01)
Google順位「コピーコンテンツでも上位化できてしまう」/発言の真相は
Googleは、コピーコンテンツによる被害を小さくするため、「元のオリジナルコンテンツを認識するためのアルゴリズム」を一揃え用意しています。Googleはこのアルゴリズムで、オリジナルコンテンツとコピーとを判別し、オリジナルの検索順位を上げるはたらきを持っている、としています。
しかし先日、Googleは「コピーコンテンツ側のページが、オリジナルよりも高い検索順位に出る」ことがある、と認めました。これでは、オリジナル記事を作成するメリットはどこにあるのでしょうか?Googleの情報と対策法を説明します。
目次
実は珍しくない、コピーコンテンツ被害
サイト管理者にとっては、自分が苦労して作ったコンテンツを誰かに「パクられ」て、その誰かのコピーコンテンツページのほうがGoogleに評価されてしまう、という目には遭いたくありません。
しかし残念ながら、こうした例はけっこう頻繁に起きます。しかも悪いことに、検索上位にいる人気コンテンツほど、コピーされる確率が高くなります。
そうした上位ページは、検索上位表示を成し遂げた優良コンテンツ、しかも検索上位にいるので目立ちます。コピーしたい者からすれば、格好の餌食と言わざるを得ないのでしょう。
ページ順位を続々「乗っ取られる」ケースも
あなたのサイトで、こうした人気のあるコンテンツがコピーされると、最悪のケースではこんなことが起こります。
- コピーページの方が上位表示され、自サイトの順位が下がる
- 人気ページの順位下落により、訪問数が大きく落ちる
- 自分がオリジナルだとGoogleに連絡しても、対応してもらえない
- とかいう間に他のページまでコピーされる(→また1へ戻る)
仮想ケースのようですが、当サイトで実際にあった事例です。しかもコピー被害により「順位を乗っ取られた」ページの数は多く、やむなくあの手この手で復旧を試み、また上位表示させるまで相当の手間がかかりました。
コピー判定アルゴリズムはまだ「不完全」
冒頭に紹介したように、Googleはオリジナルかコピーかを判別するアルゴリズムを用意しているはずです。なのに、こうしてコピーコンテンツによる順位乗っ取りが起きているのは、なぜなのでしょうか?
端的にいうと、このアルゴリズムの精度がまだ及第点に達していないからのようです。
加えて、コピーコンテンツは、元のオリジナルコンテンツよりもさらにコンテンツが付け加えられており、コピーの方がより価値あるコンテンツと見なされる場合など、順位が上がりやすくなる条件を満たしていることもある、とGoogleのジョン・ミューラーは説明(弁解?)します。
Google(アルゴリズム)はオリジナルの方のコンテンツをより上位に出す方向で動くが、コピー側がコンテンツ追加を行っていたりすると、オリジナルでなくコピーを上位表示してしまうことがある。
つまりGoogleは原則、オリジナルかどうかは問わず、コンテンツ価値が多い方を上位に出そうとすることがある、のです。これだとコピーページのほうが「楽に」上位表示できてしまうように思われますが、そこの解決は、今後のアルゴリズムの進化にかかっているのでしょう。
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アルゴリズム以外でのコピー対策は?
では、今の不完全なアルゴリズムに頼る以外にも、オリジナルページを守る手段はないのでしょうか?例えば、オリジナルページの作者や管理者がGoogleに手動でオリジナル申請するとか、そういった手段は取れないのでしょうか。
Googleによれば、こうした「手動申請方式」も検討はされたものの、結局べつの問題を引き起こしかねないことから、やはり実導入には至っていないようです。Googleのスポークスパーソンであるジョン・ミューラーはこのように発言しています。
自分のページがオリジナルであるとGoogleに伝える方法(=手動申請方式)はまだない。そんなシステムを作っても、他の人が「いや、これは私が先に作ったんだ」とウソの主張をするのはかんたんだからね。
もっと言うと、ネットにアップロードされた記事を素早く検知し、「これは私が作ったオリジナルページです」とウソの申請を自動で出すシステムだって、出てくるかもしれない。
つまり、手動申請方式も、けっきょく「悪用される」からやらない、というのです。
では自分もコピーしたほうが「得」?
アルゴリズムの進化が追いついていないというのもありますが、私見では、Googleは「オリジナルかどうか」よりも「どれだけ役に立つコンテンツか」の方を重視する姿勢があるように思われます。
先程のミューラーの発言なども参考にすると、コピーコンテンツを厳しく罰するよりも、「一部コピーでもいいからより役立つコンテンツ」を上位に出す方が、検索ユーザーは喜ぶはずだ、とGoogleは考えているように見えます。
では、サイト管理者にすれば、オリジナルを書くよりも他人のコンテンツをコピーしたほうが得なのでしょうか?当然そんなことはなく、一度Googleから「悪質な」コピーと判定されたページは、ペナルティで検索結果から消し飛びます。また、コピー元の管理者が法的に動くと、あなたに刑事罰が下る可能性もあります。
このように、誰かにコピーされたからといって、では自分もコピーしてしまえ…という考えは、結局身の破滅を招きます。自分も「悪意のあるサイト管理者」の仲間入りをするのはやめておきましょう。
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コピー被害を「最小限にする」には
ともかく、いくらコピーされたくないからといって、完全な防止対策は存在しないと言えます。インターネットでコンテンツを公開しているかぎり、いつ誰にコピーされるかはわからないのです。
では、コピーされたときの被害を最小限にするには、どうすればよいのでしょうか?それは、あなたのサイトに力を付けることです。具体的には、コンテンツをたくさん載せ、たくさんの被リンクを獲得することです。
当サイトがコピー被害に遭った際も、結局効果があったのは、自サイトの低品質ページの削除と、リダイレクトや正規化の設定見直しでした。つまり、サイト内の全ページのリンクが無駄にならないよう「Googleに見せて評価してもらうページを整理した」のです。
「コピーされても平気なサイト」を育てよう
Googleは結局、ウェブページもしくはウェブサイト全体の被リンクを評価して、検索順位の大部分を決めます。
つまり、よほど明らかかつ悪質なコピー行為を行っていないかぎり、ページのコンテンツ価値、そしてページの人気(=リンク)しだいで順位を決めてしまうのです。
となると、サイト管理者にとっては、コンテンツをコピーされないように躍起になるよりも、コンテンツ追加と被リンク獲得で評価を上げ「コピーされても平気なサイト」を育てるほうが、メリットははるかに大きくなるはずです。
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