[2016/11/04] (最終更新日 2022/05/20)
クロール申請で順位が落ちることがある?/Googleが解説
Googleのサーチコンソール上の機能で「URL検査」というものがありますが、この機能は、URLの状況を確認したり、また、GoogleにWebページをクロール申請(インデックス登録をリクエスト)するための機能です。クロール申請をする事で実際に何が起こるのか、いまいち理解できていない方も多いのではないでしょうか。
そんなウェブマスターの一人が、ある疑問を抱きました。
すると、この疑問にGoogleのジョン・ミューラー氏が回答してくれました。
クロール申請とはいったい、検索順位にどのように影響するものなのでしょうか?
目次
クロール申請は順位に影響があるのか
Googleに質問を投げたのは、ナイジェリアでIT企業を率いるアラム・アキニェミ氏です。彼のツイートに対し、Googleのジョン・ミューラーが疑問を解決する返事を返してくれました。そのやりとりはこちらです。
質問者(アラム氏):
私のウェブサイトに対して、Googleサーチコンソールから「再クロール申請」機能を使ったら、サイトの順位は下がるのでしょうか?ジョン・ミューラー:
いいえ、下がりませんよ。一方で、クロールされる頻度が増えたからといってランキングが改善するようなこともありません。(ジョン・ミューラーのTwitterアカウントから、翻訳は筆者)
元のツイートはこちらです。
@akinyemi_alamu No. However, getting crawled more doesn’t positively change rankings either.
— John Mueller (@JohnMu) 2016年11月1日
つまり、クロール申請をしても、それだけで順位は変わらない、上がりも下がりもしないというわけです。SEOに詳しい人なら説明不要かもしれませんが、再クロール申請の意味をよくわかっていない人にすれば「ああ、そうなのか」と思ったかもしれません。
ではそもそも、クロール申請で何が起きるのでしょうか?順位と関係がないなら、何のためにこの機能があるのでしょうか?
クロール申請すると何が起きるのか
クロールは、あなたのWebページを検索結果に載せるためにGoogleが行う作業の一つです。
Googleは、クロールで「知り」、検索インデックスで「登録」する
Googleが検索結果を作るためには、そもそもインターネット上にどんなWebページがあるのかを知る必要があります。このために行うのがクロールです。
Googleは、あなたのページのURLやコンテンツ、被リンク情報などを、クロールする事で「知り」、検索インデックスというかたちで「登録」します。
この「登録」されたインデックスがあるからこそ、Googleはあなたのページの情報をそこから引っ張り出し、検索結果リストに掲載することができます。
放置していてもクロールはされる、しかし…
Googleは常に、新しいWebページや過去にクロールしたことのあるページを、巡回してクロール(再クロール)します。したがって、サイト管理者は新規ページを作るたびに毎度「クロール申請」機能を使う必要はありません。
しかし、Googleのクロール頻度は、サイトの状況によってまちまちです。SEO対策ができているサイトなら、毎日クロールしてもらえるかもしれないし、SEOが行われていないサイトなら、クロール頻度も数日に一度、数週間に一度…とクロール頻度は少なくなります。
クロール頻度が少ないと、あなたがいくらWebページを素晴らしい品質に改善しても、Googleには気づいてもらえません。そうなるとGoogleインデックスには、改善前の古いあなたのページが登録されたままになってしまいます。これではせっかくページを改善した意味がありません。
クロール申請すれば、Googleは「すぐ」クロールに来る
こんなときに役に立つのが、クロール申請機能です。サーチコンソールからページの変更などした場合に「このページをクローラーに見に来てほしい」とGoogleに依頼すると、Googleはクローラーを送り込んでくれるはずです。
(なお、このときのクローラー訪問の様子は、Google Analyticsの「リアルタイム」機能で確認できます。クロール申請後すぐ、アメリカ(US)から指定ページを訪問している形跡があれば、それがおそらくGoogleクローラーです。)
こうしてクローラーは、あなたが申請した任意のタイミングで、あなたのページの最新の内容を見てくれて、その情報を検索インデックスに登録すべく持ち帰ってくれます。
クロールされたページを「順位評価」するのはクローラーではない
持ち帰られたあなたのページの情報は、その後検索アルゴリズムによる順位評価を経て、検索インデックスに保存されます。
クロールが行われてから、検索アルゴリズムが順位評価を済ませるまでは、数時間で済むこともあれば、数週間かかることもあります。そのため、クロールされたからといって、すぐ順位が動くわけではありません。
つまり基本的には、クロールされただけでは、順位は変わらないのです。
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Googleにクロールを申請する方法
Googleにクロール申請する方法としては、サーチコンソールの「URL検査」機能を使う方法と、サイトマップを送信する方法があります。クロールしてもらいたいURLが少ない場合は個別に申請する「URL検査」を使うと良いでしょう。その他、複数URLがある場合はサイトマップを送信する方法が適しています。
URL検査を使用する
「URL検査」を利用するには、サーチコンソールにログイン後、ページ上部の検索窓にURLを入力するか、または、左メニューのURL検査をクリックします。その後、上記の画像のようにページの状態が表示されるので、赤枠の「インデックス登録をリクエスト」をクリックするとクローラーに巡回を促せます。
サイトマップを送信する
サイトマップは形式(XML、テキスト、RSSなど)や自動・手動など、サイトによりバラバラとなりますが、サイトマップをGoogleに知らせるためには robots.txt ファイルに追加する、またはサーチコンソールに直接送信する方法があります。
クロール申請後に順位が落ちたら
では、冒頭のアラム氏は、なぜ「クロール申請で順位が落ちるのかな?」と考えたのでしょうか。どうやら彼は、クロール申請を行ってからまもなく、実際に順位が落ちてしまった、という経験をしていたようです。
アラム氏:
サイトのページ読み込みスピードを改善していた際に、再クロール申請を出したら、サイト検索順位が落ちてしまった、ということがあったんだ。(アラム氏のツイート、翻訳は筆者)
そのため、順位下落の原因がクロール申請にあるのでは、と考えたようです。
このように、自分の何らかの行動と順位を短絡的に結びつけてしまうことは、アラム氏でなくても、経験があるのではないでしょうか?
クロール申請にせよ、ページスピードの改善にせよ、なにかしらの対策を行なった後に、すぐ順位が下がってしまうことは多々あります。そんな時すぐに「あの対策を実施したからか?」と見当をつけてしまいがちです。
しかし、自分の考えが正しいのか間違っているのか、アラム氏のように直接ミューラーに質問しなくても、検索すれば簡単に答えは見つかるでしょう。特に、重要な対策ページの順位が動いたときは、外的要因なのか内的要因なのか、情報を集めるほうが解決策は見つかります。
Googleは、SEOで何が重要なポイントかを多く明らかにしています。そのため、細々した要素よりも、最重要であるコンテンツと被リンク対策を行うべき、ということも明らかになっています。まずこの二点をおさえるところから、対策を始めましょう。
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