[2016/04/15] (最終更新日 2021/06/15)
世界各地でAdWordsの色が一時的に変わる/Googleの意図は
検索結果に表示されているAdWords広告についた「広告」ラベルの色を、緑に変えるテストを、Googleが行っているようです。
この現象はイギリスなど限られたユーザーにだけ発生しており、いずれも一時的なものだったとの報告が相次いでいます。検索結果画面の状況、ならびにこのテストと思われる現象の意図についてレポートします。
目次
イギリスから東欧へ波及、そして南米でも
色が変更されたのは、下図で示された部分です。元は黄色だった「Ad」というラベルが、検証画像では緑に変更されています。
当初はイギリスだけで報告が上がっていましたが、後にハンガリー、ドイツ、中南米でも同様の報告があり、テストが各地に飛び火していることがわかりました。
ハンガリーでの報告
ドイツでの報告
@sengineland @ginnymarvin the same goes for Germany pic.twitter.com/Zs8AZOibVs
— Mario Wentzel (@mariowentzel) 2016年4月14日
なお、日本国内および筆者環境では今のところ同様の事象は確認されていません。
Googleの意図は
この現象は、検索ユーザーの一部に対してテストを行っているものと見られます。おそらく色味(色相)を変えることで起き得るCTRの変化などを見ているのではないかと考えられます。
Googleはこの「広告」ラベルを、2013年に現在の黄色へと変更しました。それを再び変更しようとしていることは、それなりに大きな意図があると考えざるを得ません。
広告と自然検索の「バランス」を見るテスト?
現在Googleの事業利益は、検索事業、広告事業とも堅調もしくは良好に推移していますが、一方で、インターネットユーザーの情報アクセス方法が検索からモバイルアプリなどに移る「検索離れ」の可能性も指摘されています。
端的に言うと、広告ラベルを緑にすると、URLスニペット(=検索タイトルの下に表示される緑色のURL部分)と同じ色になり、広告と検索結果リストとの見分けはますますつきにくくなるでしょう。そうなると、広告を広告と気付かずにクリックするユーザーが増え、広告CTRが増加し、広告主にもGoogleにもメリットが出ます。
しかし一方で、広告と知らずに広告をクリックさせられるユーザーからすれば、何かしらのマイナス感情が働いて「検索離れ」の一因になるかもしれません。
筆者としては、これらの点でバランスを見るため、今回のテストを行ったのではないかと推測しています。
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広告主の関心は色味よりも「バナーブラインド」
その一方で、ジャーナリストからは、そんなことよりも「バナーブラインド」をなんとかしてくれ、という声も上がっています。
バナーブラインドとは
バナーブラインドとは、検索結果などで広告が「だいたい同じ位置に同じ感じで出てくるので、いつのまにか検索ユーザーが、オンライン広告を「無意識に読み飛ばしてしまう」現象のことです。アドブラインドなどとも呼ばれます。
バナーブラインドは、広告のCTR低下の要因となるほか、広告を予期せずクリックしてしまう、いわば「非ビュークリック」率増加の遠因にもなり、喫緊ではないにせよ、何かしらの対策が望まれる現象です。
ラベルの色を変えるといった細かな変更ではなく、もっとドラスティックに、バナーブラインドの対策をしたほうが、三方良しの改善になるのではないか、という主張でしょう。(Googleのカタを持つわけではありませんが、こっちはすぐには解決できなそうではあります)
広告 VS SEO、今後しばらくはSEOに軍配
いずれにせよ、こうした表層的なテコ入れが必要な程度に、Googleは広告事業に対してさらなる進展をもくろみているのでしょう。
サイト管理者の方は、広告もさることながら、本筋である自然検索からの流入対策(SEO対策)がなおざりにならないように注意して下さい。
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