[2016/05/24] (最終更新日 2024/11/11)
「キーワード詰め込み」ペナルティのNGラインは、どの程度?/Google発言分析
「キーワード詰め込み」という手法をご存じでしょうか。
この手法を用いるとGoogleペナルティの対象となります。1つのページ中でむやみやたらに同じキーワードを使い過ぎると、Googleなどの検索エンジンからスパム行為として判定され、評価が下がり大きな順位下落が起きるのです。
「キーワード詰め込み」は、キーワードスタッフィング、キーワードの乱用などとも呼ばれる事がありますが、
キーワードスタッフィング(keyword stuffing)の意味も同義で、検索エンジンの評価を上げる目的で、ページ内にSEOキーワード詰め込む手法の事を指します。
それでは、キーワードの詰め込みとひと言で言ってもどの程度までがOKで、どの程度だとNGとなってしまうのでしょうか?
キーワード詰め込みペナルティとその判定ライン、SEOでの注意点について、Googleの公式発言をもとに説明します。
目次
「キーワード詰め込み(キーワードの乱用)」とは?
SEOにおけるキーワード詰め込みとは「ユーザーに迷惑なほど、特定の対策キーワードや数字を繰り返し使用し1ページの中に詰め込むこと」を意味します。
Google検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」によれば、Google検索結果のランキングを操作する目的でキーワード詰め込みと判定されたページはペナルティを受ける可能性があります。
Googleのスパムに関するポリシーに違反する行為としては、
ユーザーや検索エンジンに異なるページを表示する「クローキング」や、ユーザーに見えにくいように配置する「隠しテキストと隠しリンク」などがあり、「キーワードの詰め込み」というSEO手法もスパム行為に該当します。
SEO初心者向けに説明しますと、キーワード詰め込み(キーワードスタッフィング)という手法は、一昔前まではSEO対策方法として有効な手段ではありました。その時代には、見出しやメタキーワード、画像のalt等にキーワードを不自然なまでに羅列するといったウェブサイトが多く見られた事は事実です。
しかし、現在では検索エンジンの精度も飛躍的に向上しており、キーワードスタッフィングをして不正にランキングを操作しようとしても効果がないどころかブラックハットSEOの手法としてペナルティが課せられる可能性があります。
キーワード詰め込みの例
しかし、SEO効果、つまり順位上昇を期待して、ページ内の特定のキーワードにおいてキーワード出現率を上げ、キーワード密度の割合を増やす(調整する)例は非常に多く見られます。それが逆に悪影響を生じないよう、守るべき「NGライン」は、どの程度のものなのでしょうか?
まず公式ガイドラインを見ると、「キーワード詰め込み」のNG例として下記が挙がっています。
- 価値のない電話番号の羅列
- 上位表示のためページ冒頭に同じテキストを羅列する
- 不自然なほど同じ言葉を繰り返している
(例: 「当店では、カスタムメイド葉巻ケースを販売しています。当店のカスタムメイド葉巻ケースは手作りです。カスタムメイド葉巻ケースの購入をお考えでしたら、当店のカスタムメイド葉巻ケーススペシャリスト宛てにお問い合わせください。」)
ショップの「カテゴリページ」はNG?
上記でご紹介したNG例から、どんなページが「キーワード詰め込み」に該当するか簡単にイメージできるようになりました。
しかしその一方で、やむを得ずキーワードを羅列せざるを得ないページもあります。例えば、Webショップのカテゴリ商品一覧ページです。
ここで、Googleカンファレンスに寄せられた下記の質問を、詳しく見てみましょう。
ユーザーから質問されたウェブショップ事例
Googleが開催するウェブマスター向けオンラインカンファレンス「Google+ ハングアウト」(本文下にYouTube録画あり)で、Googleの上級管理者であるジョン・ミューラーは、下記のような質問を受けました。
参加ユーザー:
仮に、ウェブショッピングサイトで、同じ製品名の複数商品(革靴 x、革靴 y、革靴 z…)が同じページにリストされるとします。
こういうのは、キーワードスタッフィングとしてスパム判定され、ペナルティを受けるのでしょうか?それとも、Googleアルゴリズムは、こういうケースを区別して扱ってくれるのでしょうか?
ショッピングサイト「一覧ページ」についてのGoogle発言
これに対しミューラーは「Googleはそういうページを区別できる。(ユーザビリティを考えると、避けたほうがよいが…)」と答えました。
ジョン・ミューラー:
そういうページを、Googleは判別できます。よくあるのは、ショップサイトのカテゴリページですね。革靴のカラバリが載ったカテゴリページなどです。
ただ、私なら同じ単語を繰り返さないよう工夫します。「革靴 ブルー」「革靴 レッド」「革靴 グリーン」…と延々並んでいるのは、ユーザーにしてみればお粗末に見えます。私なら、サイトでそういうのは避けますね。
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カテゴリ一覧などはペナルティにならない
キーワードが羅列されても、上記で紹介した事例である「ウェブショップのカテゴリページ」のような場合なら、理想的な状態ではないとはいえペナルティは受けない、ということのようです。
Googleの検索アルゴリズムはこうしたケースを区別し、ペナルティの対象から外すことができるのでしょう。
細かいことよりも「自然なコンテンツ」に
アルゴリズムによるペナルティ判定条件は、厳密には
「同じワードが
といった複雑な判定条件が用いられていると思われますが、それはGoogle社外では把握出来ず、しかもおそらく頻繁に更新されているはずで、普通のウェブマスターが把握するのは不可能でしょう。
厳密な定義を知るよりも、Googleガイドラインとミューラー発言を信用するなら、むしろ「普通の感覚」を信じる、つまり誰が見ても自然なコンテンツにする ことで、「キーワードの詰め込み」に悩まずペナルティ回避ができそうです。
現在のアルゴリズムは精度が大きく向上しており、誤判定によるペナルティも格段に減ってきています。自然なコンテンツならまずペナルティにはならないでしょう。
キーワードの多さ、本当に順位影響なし?
キーワードが多くても、自然な範囲ならペナルティには繋がらない、というのはわかりましたが、では本当にキーワードの多さは順位には全く影響がないのでしょうか?
試しに、カンファレンスでのミューラーの会話に例として出たキーワード「革靴」(leather shoes)での検索結果を見て、キーワード繰り返しとの相関を検証してみます。
「leather shoes」検索結果を検証
はじめに、以下が「革靴」(leather shoes)の検索結果です。
ここで上位3位までのページをクリックし検証した結果、次の共通点がわかりました。
- 全てショッピングサイトのカテゴリ商品一覧ページである
- ターゲットキーワードleather shoesが含まれていない
ワード繰り返しどころか、ワード数すら順位と相関なし
「leather shoes」の検索上位3つは全てショッピングサイトのカテゴリ商品一覧ページで、このキーワードで激しいSEO競争が行われていることが想像できます。
さて、各サイトでの「キーワード繰り返し」の有無について見ると、どれもターゲットワードとなる「leather shoes」は、コンテンツ内の文章はおろかタイトルタグにすらほとんど登場しません。
おそらくこの3サイトの他に、素直に「leather shoes」でSEO対策しているサイトはあるはずです。しかしそれらははるかランキング下位のようです。つまり、ターゲットワードの繰り返しよりも、他のSEO要素(被リンクやコンテンツの良質さ)がよっぽど重視されているのです。
やはりキーワードの多さは順位に影響しない
ここまでの結果を見ると、少なくとも、ターゲットキーワード数の多さは順位に好影響を与えていません。よく言われるとおり、やはりキーワード数を増やすだけではSEO対策にならないようです。
むしろ、キーワードをより多く詰め込むことでSEOパワーが劣ってしまい、他のサイトとの競争に負けていう可能性すら考えられます。メインキーワードである「leather shoes」を詰め込んだページよりも、全然詰め込んでいないこの3サイトが最上位に来ているからです。
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ローカルSEO・MEO対策の分野でもキーワードスタッフィングの手法
ローカルSEOの分野でもキーワードスタッフィングの手法が取られる事があります。
googleビジネスプロフィールに設定するビジネス名や店舗名などに上位表示を目的としてキーワードを過剰に詰め込むという方法が取られているようですが、googleビジネスプロフィールについても前述の手法はガイドライン違反となります。googleビジネスプロフィールの評価が下がると集客に影響のある企業は少なくないでしょう。
正しい内容を適切にユーザーに伝える事を意識しましょう。
まとめ – キーワード分量は気にせず基礎SEOに注力しよう
ここまで、キーワード詰め込みとペナルティ、またSEO対策との関連について見てきました。
ページでのキーワード対策の際しばしば気になるのが、どこまでがSEO効果があって、どこからがペナルティになるか、のNGラインですが、今回の検証では以下の事がわかりました。
- (カテゴリ一覧など含む)自然な範囲内ならペナルティにはならない
- しかし、そもそもキーワードの多さは上位表示と関係ない
まずは基礎SEO対策が重要
キーワードが他のサイトより多く出現したとしても上位表示に直結するわけではない事はわかりました。しかし、だからといって全く対策キーワードが含まれていなければ、閲覧ユーザーはそのページがどんな内容についてのページなのかを理解する事が難しくなります。
一般的に、キーワード出現率は、seo記事内の2~3%程度を目安とされる事をおすすめします。
現状の対策ページのキーワード出現率を調べたい方は、ツールやアプリを使用し調べる方法があります。
SEO Packの提供するSEOツール「seodoor」内の機能や、キーワード出現率チェックツールは無料で使用できますので便利です。
(※seodoorは7日間無料トライアルで利用可能)
つまり、下記のことが言えるでしょう。
記事内にあるメインキーワードの分量(キーワード出現率)は、自然に使う以外に余分な手間はかけない
キーワード選定をして新規の記事作成時に、「ペナルティにならないぎりぎりまでキーワードを詰め込もう」といったことに時間を使うよりも、検索ユーザーにとって有益な情報を届けられるようなコンテンツを作成しコンテンツマーケティングに注力しましょう。記事内にはメインキーワードの他、関連キーワードや共起語等も用いてコンテンツを強化する事がポイントです。
コンテンツを作成していく上で共起語と言われてもどうやって調べると良いのか迷ってしまいますね。
そんな時には、SEOツール「seodoor」内の機能「コンテンツ分析」機能を利用すると、競合サイトで用いている共起語の情報が調べられるので利用してみましょう。
また、コンテンツ対策と並行し内部対策やリンク対策などの基礎SEO対策も進めるようなSEO戦略がお勧めです。
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