[2016/05/24] (最終更新日 2021/08/18)
「キーワード詰め込み」ペナルティのNGラインは、どの程度?/Google発言分析
「キーワード詰め込み」(キーワードスタッフィング、キーワードの乱用)というGoogleペナルティをご存じでしょうか。一つのページで同じワードを使い過ぎると、Googleからスパム行為判定され、大きな順位下落が起きるのです。
しかし、どの程度までがOKで、どの程度だとNGとなってしまうのでしょうか?
キーワード詰め込みペナルティとその判定ライン、SEOでの注意点について、Googleの公式発言をもとに説明します。
目次
「キーワード詰め込み」とは?
SEOにおけるキーワード詰め込みとは「ユーザーに迷惑なほど、特定のキーワードや数字を1ページに詰め込むこと」です。
Google公式ガイドラインによれば、キーワード詰め込みと判定されたページはペナルティを受ける可能性があります。
キーワード詰め込みの例
しかし、SEO効果、つまり順位上昇を期待して、ページ内のキーワードの比率を増やす(調整する)例は非常に多く見られます。それが逆に悪影響を生じないよう、守るべき「NGライン」は、どの程度のものなのでしょうか?
まず公式ガイドラインを見ると、「キーワード詰め込み」のNG例として下記が挙がっています。
- 価値のない電話番号の羅列
- 上位表示のためページ冒頭に同じテキストを羅列する
- 不自然なほど同じ言葉を繰り返している
(例: 「当店では、カスタムメイド葉巻ケースを販売しています。当店のカスタムメイド葉巻ケースは手作りです。カスタムメイド葉巻ケースの購入をお考えでしたら、当店のカスタムメイド葉巻ケーススペシャリスト宛てにお問い合わせください。」)
ショップの「カテゴリページ」はNG?
上記でご紹介したNG例から、どんなページが「キーワード詰め込み」に該当するか簡単にイメージできるようになりました。
しかしその一方で、やむを得ずキーワードを羅列せざるを得ないページもあります。例えば、Webショップのカテゴリ商品一覧ページです。
ここで、Googleカンファレンスに寄せられた下記の質問を、詳しく見てみましょう。
ユーザーから質問されたウェブショップ事例
Googleが開催するウェブマスター向けオンラインカンファレンス「Google+ ハングアウト」(本文下にYouTube録画あり)で、Googleの上級管理者であるジョン・ミューラーは、下記のような質問を受けました。
参加ユーザー:
仮に、ウェブショッピングサイトで、同じ製品名の複数商品(革靴 x、革靴 y、革靴 z…)が同じページにリストされるとします。
こういうのは、キーワードスタッフィングとしてスパム判定され、ペナルティを受けるのでしょうか?それとも、Googleアルゴリズムは、こういうケースを区別して扱ってくれるのでしょうか?
ショッピングサイト「一覧ページ」についてのGoogle発言
これに対しミューラーは「Googleはそういうページを区別できる。(ユーザビリティを考えると、避けたほうがよいが…)」と答えました。
ジョン・ミューラー:
そういうページを、Googleは判別できます。よくあるのは、ショップサイトのカテゴリページですね。革靴のカラバリが載ったカテゴリページなどです。
ただ、私なら同じ単語を繰り返さないよう工夫します。「革靴 ブルー」「革靴 レッド」「革靴 グリーン」…と延々並んでいるのは、ユーザーにしてみればお粗末に見えます。私なら、サイトでそういうのは避けますね。
\無料診断の活用で課題を明確に/
外部リンク、内部状況、コンテンツ状況からSEO対策の課題が見えてくる無料調査です。
「対策ページの弱点は何か...」などお悩みをお持ちの方は、一度「SEOパーソナル診断」をご利用ください。
カテゴリ一覧などはペナルティにならない
キーワードが羅列されても、こうしたウェブショップのカテゴリページのような場合なら、理想的な状態ではないとはいえペナルティは受けない、ということのようです。
Googleの検索アルゴリズムはこうしたケースを区別し、ペナルティの対象から外すことができるのでしょう。
細かいことよりも「自然なコンテンツ」に
アルゴリズムによるペナルティ判定条件は、厳密には
「同じワードが
といった複雑な判定条件が用いられていると思われますが、それはGoogle社外では把握出来ず、しかもおそらく頻繁に更新されているはずで、普通のウェブマスターが把握するのは不可能でしょう。
厳密な定義を知るよりも、Googleガイドラインとミューラー発言を信用するなら、むしろ「普通の感覚」を信じる、つまり誰が見ても自然なコンテンツにする ことで、「キーワードの詰め込み」に悩まずペナルティ回避ができそうです。
現在のアルゴリズムは精度が大きく向上しており、誤判定によるペナルティも格段に減ってきています。自然なコンテンツならまずペナルティにはならないでしょう。
キーワードの多さ、本当に順位影響なし?
キーワードが多くても、自然な範囲ならペナルティには繋がらない、というのはわかりましたが、では本当にキーワードの多さは順位には全く影響がないのでしょうか?
試しに、カンファレンスでのミューラーの会話に例として出たキーワード「革靴」(leather shoes)での検索結果を見て、キーワード繰り返しとの相関を検証してみます。
「leather shoes」検索結果を検証
はじめに、以下が「革靴」(leather shoes)の検索結果です。
ここで上位3位までのページをクリックし検証した結果、次の共通点がわかりました。
- 全てショッピングサイトのカテゴリ商品一覧ページである
- ターゲットキーワードが含まれていない
ワード繰り返しどころか、ワード数すら順位と相関なし
「leather shoes」の検索上位3つは全てショッピングサイトのカテゴリ商品一覧ページで、このキーワードで激しいSEO競争が行われていることが想像できます。
さて、各サイトでの「キーワード繰り返し」の有無について見ると、どれもターゲットワードとなる「leather shoes」は、コンテンツはおろか<title>タグにすらほとんど登場しません。
おそらくこの3サイトの他に、素直に「leather shoes」でSEO対策しているサイトはあるはずです。しかしそれらははるかランキング下位のようです。つまり、ターゲットワードの繰り返しよりも、他のSEO要素(被リンクやコンテンツの良質さ)がよっぽど重視されているのです。
やはりキーワードの多さは順位に影響しない
ここまでの結果を見ると、少なくとも、ターゲットキーワードの多さは順位に好影響を与えていません。よく言われるとおり、やはりキーワードを増やすだけではSEO対策にならないようです。
むしろ、キーワードをより多く詰め込むことでSEOパワーが劣ってしまい、他のサイトとの競争に負けていう可能性すら考えられます。「leather shoes」を詰め込んだページよりも、全然詰め込んでいないこの3サイトが最上位に来ているからです。
\無料診断の活用で課題を明確に/
外部リンク、内部状況、コンテンツ状況からSEO対策の課題が見えてくる無料調査です。
「対策ページの弱点は何か...」などお悩みをお持ちの方は、一度「SEOパーソナル診断」をご利用ください。
まとめ – キーワード分量は気にせず基礎SEOに注力しよう
ここまで、キーワード詰め込みとペナルティ、またSEO対策との関連について見てきました。
ページでのキーワード対策の際しばしば気になるのが、どこまでがSEO効果があって、どこからがペナルティになるか、のNGラインですが、今回の検証では以下の事がわかりました。
- (カテゴリ一覧など含む)自然な範囲内ならペナルティにはならない
- しかし、そもそもキーワードの多さは上位表示と関係ない
まずは基礎SEO対策が重要
つまり、下記のことが言えるでしょう。
・キーワードの分量は、自然に使う以外に余分な手間はかけない
ペナルティにならないぎりぎりまでキーワードを詰め込もう、といったことに時間を使うよりも、まずは基礎SEO対策を行うことに注力しましょう。
この記事が役に立ったらSNSで共有してください。