[2016/06/13] (最終更新日 2021/06/21)
また起きたゾンビトラフィック、正体は「購入見込みユーザ」?
Google検索からやってきては何もせずに帰っていく大量のトラフィック、通称「ゾンビ・トラフィック」現象について、当ブログで以前紹介したことがあります。
このトラフィックの正体について、米Webフォーラムで浮上した「新説」が、非常に興味深く考察に値するものだったため、本稿にてレポートします。
目次
ゾンビトラフィックとは
ゾンビトラフィックとは、2015年10月頃から、数カ月ごとに話題にのぼることのある、Google検索トラフィックにまつわる意味不明の現象のことです。
共通しているのは
・Google自然検索から
・普段とは異なる大量なトラフィックが来て
・複数ページをうろつき周り
・サイトに長い時間滞在するが
・なんのコンバージョンもせずに離脱する
・これが突然やってきては突然元に戻る
という点です。
とくに被害があるわけではないようですが、全くコンバージョンしないため、一時的に(アクセス増とともに)コンバージョン率が著しく下がります。これらの特徴から、いつしか「ゾンビトラフィック」と呼ばれるようになりました。
ゾンビトラフィックに興味深い新説
この2016年6月にもゾンビトラフィック現象が観察され、米SEO関連フォーラムのWebmaster Worldでスレッドが立ちました。
しかし今回は、スレッドへの投稿の中で、ゾンビトラフィックの正体についての新たな説が現れ、その信ぴょう性からSEOコミュニティで話題となっています。
「新説」全文翻訳
Aristotle(アリストテレス)と名乗るウェブマスターが投稿した説を、下記に引用します。
ECサイト管理者なら、この謎のトラフィックの正体を「ゾンビ」だとか、検索ミスマッチだとか、スパムだとかニセデータだとか言うのはやめたほうが良い。
ECサイトであれば、実際問題は、自分のほしいものがわかっていて購買意欲のある検索ユーザーに対して、Googleが何をしているのかを理解することだ。こうしたユーザーは「購入見込みユーザー」と読んでもいいだろう。
Googleはこうした「購入見込みユーザー」を見分けることができるんじゃないか、と私は思っている。彼らが使った検索ワード、検索履歴、検索した場所、あるいは他のいろんな要素を使えば可能だろう。
そして、Googleはそうした「購入見込みユーザー」を注視し、おそらくは特別な検索結果リストを用意して見せているのじゃないかと思っている。
考慮すべきは、この「購入見込みユーザー」だ。ゾンビとかいうわけのわからないものとして片付けるべきではない。
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Googleは「購入見込みユーザー」を選別している
上記の説明を補足します。Aristotleの説によれば、Google検索は常に、あなたの製品を購入しそうなユーザーを選別して、その「購入見込みユーザー」に対して、あなたの製品サイトの混ざった検索結果リストを見せています。
Googleはこの、購入見込みユーザー向けの検索結果リストを、全てのユーザーの検索ワードや検索履歴、検索場所などなど、様々な情報から分析して把握しています。
わたしたちのサイトの、普段のコンバージョン率は、このGoogleの仕組みによって高められた結果の数字だ、というわけです。
購入見込みユーザーを増やすアルゴリズム調整
さてGoogleは、検索エンジンをより進化させるために、常にアルゴリズムへ調整もしくはアップデートを加えています。その結果、あなたのサイトの検索順位が上がったり下ったりすることになります。
調整の結果、あなたのサイトの「購入見込みユーザー」が多い検索ワードで順位が上がったら、たくさんの購入見込みユーザーがアクセスしてきて、たくさんのコンバージョンが起こります。
正体はゾンビではなく「アルゴリズム調整のズレ」か
しかしGoogleのアルゴリズム調整は、常にうまくいくとは限りません。
例えば間違って「購入見込みユーザー」の少ない検索ワードで上位にさせられてしまったら、あなたのサイトには、「微妙に興味はあるけど購入見込みのないユーザー」がたくさんやってきて、なんとなくサイトを回遊しては離脱する、ということも起き得るでしょう。
Aristotleはこれが、ゾンビトラフィックの真相ではないか、と言っているのです。
つまり、Googleの「ちょっとズレた」アルゴリズム調整によって、「ちょっとズレた」検索ユーザーがあなたのサイトにたくさんやってきて、その調整を元に戻すとトラフィックも元に戻る、ということが起きているのではないか、というのが、Aristotleの新説です。
新説が促す、SEO対策の見直しポイント
Googleが普段から「購入見込みユーザー」を選択的にサイトに集めようとしており、しかし時にはズレが起きて「購入しそうでしないユーザー」を大挙させる結果にもなる、それがゾンビトラフィックの真相だ、というこの新説は、Webmaster Worldでも相当数の支持を得ました。
当ブログでは今のところ、この説の検証はできないものの、筆者としては非常に信ぴょう性が高いのではないかなと思っています。順位を上げるためのSEO対策を行っているサイトは99%がビジネスサイト(ECサイト)と思われますが、この新説をもとに、サイトコンテンツの作りを見直すこともできるのではないでしょうか。
検索クエリとサイトの相性、今一度確認を
つまり、Google検索アルゴリズムだけに頼らず(またはアルゴリズムを利用して)、より「購入見込みユーザー」の心理を想像し、より彼らに響くコンテンツ作り・サイト作りを行う、ということです。コンバージョンにはサイトと検索クエリの相性が必要、ということを見直すのによいトピックとも思います。
当ブログでは、このゾンビトラフィック、もしくは「購入見込みユーザー」関連かもしれないアルゴリズム調整について、引き続き情報を収集してゆきます。
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