[2016/08/07] (最終更新日 2021/06/28)
Google、AMP記述が不正確でも「黙認」?/サーチコンソールが仕様変更
新たに登場したスマホ検索向けの新技術「AMP」につき、力をかけて普及をすすめているGoogleですが、このたび、AMPの「ソースコードの書き方」がそれほど正確でなくても、少なくともサーチコンソール上では問題にしない、といった方針変更を行ったようです。
これはどういったことでしょうか?本記事で考察します。
目次
GoogleのAMP規定が「柔軟」化?
8月1日、Googleが、サーチコンソール公式ヘルプ英語版で、下記のようなポストを公開しました。
2016年8月1日:
ユーザーによっては、AMPのエラーレポート機能で、エラーの数が大きく減少しているかもしれません。
これは、不正な構造化データ記述を「エラー」から「注意」へ格下げし、より軽く扱うようになったためです。
将来的には、AMPページを検索結果に表示するためには、もう構造化データ記述が必要でなくなる見通しであり、このことから今回の措置が行われています。
つまり、AMPのソース記述が少々おかしくても問題にしなくなった、ということです。
実際に、サーチコンソールでAMPデータのトラッキングを行っているアカウントでは、AMPエラー数を示すグラフが下図(赤線)のように大きく減少しているはずです。
AMP記述が不正確でも「大目に見る」?
この仕様変更の理由としてGoogleは、AMPページをGoogle検索結果に表示するためには「構造化データ記述が必要でなく」なるからだ、としています。
つまりGoogleは、ちょっとくらい不正な構造化データ記述でも、いずれはGoogle検索結果にAMPページを表示するようになる、ということのようです。
さらにAMPを普及させるための布石?
これまでGoogleは、AMPページの表示を「トップカルーセル」と呼ばれる特別な箇所でだけ対応していました。しかし先日、AMPページが「普通の検索結果リスト」(1ページに10件表示される、メインの検索結果リスト部分)にも表示されるようになる、とアナウンスしました。
こうした状況を鑑みると、どうやらGoogleは、さらにAMP技術の普及をはかるため、AMP活用の規制をゆるくした、というように見えます。
※なお、トップカルーセルに表示するためには、今後も構造化データの適正な記述が必要なようです。少々ややこしいなというのが正直なところです。
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AMP導入によるメリットはまだ少ない
想像するに、AMPの普及は、Googleの思惑ほど上手くは進んでいないのではないでしょうか。
AMPを導入したWebページは、モバイル端末で表示する場合の読み込みスピードが「爆速」になります。その速さは、ほとんど読み込み時間を感じさせないほどで、検索ユーザー(ページを見る側)にとっては、AMP技術はとても大きなメリットがあります。
しかしその一方で、AMPを導入したからといってGoogle検索順位が上がるわけではありません。そのため、AMP導入で検索ユーザーの役に立つことを知りつつも、業務に余裕がなくAMP導入を見送っているサイトは大変多いのではないか、と想像できます。
AMP導入のタイミングは、優先順位を間違えないように
AMPの導入でよりユーザーフレンドリーなサイトを運営できるようになるのは事実ですが、ビジネスサイトを運営するうえでは、順位上昇や集客増、あるいはコスト削減といった、何らかの数字に反映される施策でなければ、なかなか手間をかけられない、というのが実情です。
筆者としてもやはり、よほど余裕(もしくは事情)のあるサイトでないかぎり、AMP導入はまだ時期尚早かなという立場です。
今後の導入のタイミングとしては、順位上昇に効果のある基礎SEO対策(コンテンツ改善と被リンク対策)を行い、まず売上を改善したあとでAMP導入を検討、というのが最善と考えられます。基礎SEO対策の方が、ビジネスサイトにおける重要さははるかに高いためです。
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