[2016/06/01] (最終更新日 2021/07/08)
重複コンテンツの危険性 – コピーコンテンツが元ページより上位表示される?
よそのコンテンツをまるごとコピーし、別サイトで公開することを「コピーコンテンツ」あるいは「重複コンテンツ」と呼びます。
先日、恐ろしいことに、コピーコンテンツが元のページよりも検索上位に表示されることがある、とGoogleが明かし、波紋を広げています。詳細を説明します。
目次
コピーコンテンツが順位を「乗っ取る」?
先日、Googleの上級スタッフであるジョン・ミューラーは、コピーコンテンツ(重複コンテンツ)を順位づけし、元のオリジナルページの方を検索結果に表示させなくすることがある、と話しました。
つまり、誰かがあなたのコンテンツを盗んだら、そのドロボウページの方を検索結果に出して、あなたのコンテンツページを検索結果から隠してしまう、ということです。
ミューラーはこれを「そうそうあることではない」と述べています。しかし、たまにしか起きないにせよ、自分がそんな目にあったらたまったものではありません。
ミューラーの発言引用
ミューラーは、先日のウェブマスター向けオンラインチャットイベントで、質問に答えるかたちでこの発言を行いました。まずは実際の発言を確認してみましょう。
質問者:
当社の従業員が、もとの製品ページの説明文を、コピーしてそのままeBay(オークションサイト)にも公開してしまいました。すると、元の製品ページの順位が落ちてしまったのです。
ミューラー:
通常だと、そういうことは起こりません。全く同じ2つのコンテンツが見つかったら、Googleは通常、どちらがcanonicalバージョン(=正規版、オリジナルの元ページ)なのかを判別し、そして元の正規版ページのほうをインデクシングします。
しかし、製品ページの説明文をコピーしてeBayに載せたとなると、これはどちらも違うページ扱いになります。同じなのは各ページのうち一部だけだからです。そうなると、元のページもeBayページも、それぞれ別の個別なページとして別々にインデックスし、検索ユーザーの意図に応じて適切な方を検索結果表示します。
だから、Googleがある検索ユーザーを「eBayで探しものがしたい人」と判断したら、GoogleはeBay版を表示します。あるいは近所のリアル店舗で買い物したいと判断されたユーザーには、元の製品ページを表示します。
◆元のミューラー発言 録画(YouTube、英語)
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ウェブマスターに広がる不安、対策は
つまり、Googleの判断次第ではコピーコンテンツが検索結果表示され、元ページは表示されない、ということになります。
これに対し、ウェブマスター界隈では不安の声が挙がっています。中でも最も大きいのが、自分がせっかく作ったコンテンツを、悪意のある誰かがコピーすることで、かんたんに検索上位を獲得できてしまうのではないか、という懸念です。
スパマーから見れば、このアルゴリズム挙動は悪用の容易いものかもしれません。人気コンテンツを見つけたら、そのコンテンツをコピペしてオークションサイトやら自分のブログやらに掲載すれば、労せずして順位が得られてしまうのです。
順位乗っ取りのほか、逆SEOの可能性も
さきほどの質問者の例でも、少なくとも質問者がウォッチしていたであろう検索キーワードでの順位は、eBayページ、つまりコピーコンテンツに食われてしまったわけです。
それが質問者の意図通りだったのならともかく、それだと不都合が出たからこうして質問したわけで、元のコンテンツ保持ページよりも、コピーコンテンツ側に利しかねないGoogleアルゴリズムの挙動には、やはり不安があります。
更には、ライバルサイトの順位を下げる「逆SEO」にも活用されかねません。Googleはしばしば大局主義(大きなものごとを重視して意思決定する)的なところがありますが、対応リソースの限られた中小サイトにしてみれば、たまったものではないでしょう。
コピーコンテンツ被害からサイトを守る
コピーコンテンツの被害からサイトを守るには、サイト自体のSEO評価を高めておくに越したことはないでしょう。とくに、順位に直接影響する被リンク対策とコンテンツ高品質化の2つができていれば、少なくとも小規模ブログなどに「順位乗っ取り」される可能性はないでしょう。
→参考:【詳解レポート】ついに公式発言、Google検索順位の最重要2要素とは
また万一、より大きなサイトなどにコンテンツをコピーされ、順位を「乗っ取られた」際でも、Googleへの著作権侵害申し立てにより、コピーコンテンツ側を検索インデックスから削除してもらうことができます。こちらの申請フォームを利用するだけです。
常時の順位チェックを必ず行う
そして、いずれにせよ最も大事なのが、自分の検索ランキング常時確認しておくことです。もしくは、自然検索からのアクセス数の推移を見ておくのも大変効果的です。
そうすると、なにか異変が起きた時に、すぐ原因を突き止め対応にあたることができます。SEO対策で順位チェックは基本中の基本ですが、自社コンテンツの維持、価値保全のためにも、順位チェックが大きな効果を期待できます。
当面はSEO対策と自衛を
ここまで対応策・予防策を紹介してきましたが、つまるところ、悪意のあるコピーコンテンツを評価しないような検索アルゴリズムになれば、それが一番と言えます。
しかしそこまでアルゴリズムが進化するのは、もう少し先になるのではと思います。そのコピーコンテンツが悪意のあるものか、それともコンテンツ保持者による問題のないコピーコンテンツなのか、判別が難しいからです。
例えば、複数のECサイトが、紙の製品カタログをベースにして複数の同じ販売ページを掲載する、といった事例は、ごく普通に発生し得るケースです。これを悪意のあるコピーと断じてしまうと非常に問題があります。当面はSEO対策と万一の際の自衛(著作権侵害申し立て)が最も有力な対策と言えそうです。
→参考:【初心者もすぐできるSEO 】SEO対策のはじめかた
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