[2017/04/27] (最終更新日 2021/07/27)
Google「アウルアップデート」展開を発表。今後の影響と対策について
2017年4月25日(米時間)、Googleが新しい検索アルゴリズムアップデートを展開しました。
通称「アウルアップデート」と呼ばれるこのアルゴリズムは、フェイクニュース(=偽ニュース)など、社会に著しく有害なサイトの順位を落とすのが第一の目的のようですが、アルゴリズムアップデートが行われた際は、他にも広く様々なサイトの順位に影響が出ることがわかっています。
目次
アウルアップデートの「アウル」とは英語でフクロウ (owl) のことですが、Google社内でこのプロジェクトを「アウルプロジェクト」と呼んでいたのが由来のようです。
アウルアップデート展開後、順位を上げるにはどうすればよいのでしょうか?
また順位が下がってしまった場合はどうすればいいのでしょうか?
アウルアップデートの内容と影響
アウルアップデートの実施につき、Googleはウェブマスター向け公式ブログにて公式リリース文を公開しました。
最近では、Googleがアップデート関連のリリースを打つことは珍しく、今回のアップデートがかなり力の入ったものであるとわかります。
アウルアップデートの「目玉」3つ
これによれば、アウルアップデートの目玉は次の3つです。
- 攻撃的もしくはデマを含むコンテンツの順位を落とした
- (そのために)コンテンツ品質評価のガイドラインを更新した
- おかしなサジェスト検索の内容をGoogleに報告しやすくした
この3つの中でも、SEOを行うサイト運営者にとって最も大きな問題が、上記「攻撃的もしくはデマを含むコンテンツの順位を落とした」の詳細、つまり、どんなサイトにどんな影響があったのかだと思います。
順位下落したサイト:著しく有害なデマサイトなど
今回のアウルアップデートでこれまで確認できた情報によれば、下記のようなサイトが既に順位下落しているようです。
- 「フェイクニュース(偽ニュース)」と「広告」を山ほど載せたサイト
- 歴史や国、人に対する「攻撃的なコンテンツ」があるサイト
その具体的な例としてGoogleは、ホロコースト(第二次世界大戦中の人種迫害政策)の存在についてデマを流すサイトの順位下落を挙げています。
とは言え、これに類する「著しく有害な」サイトは、既に先月あたりから順位を落としていたようで、その頃からアウルアップデートが展開されていた可能性があります。
順位が上がったサイト:特定の傾向はまだ見られず
そうした社会的に有害なコンテンツではない「まともなサイト」の順位は、アウルアップデートによって軒並み上がっていてもおかしくありません。
しかし、確認した範囲内だと、大幅な上昇傾向は見られないように思います。
そもそもこの数日は、とくに大きな変動は見られていません。
それよりも、このところ検索順位がひっきりなしに入れ替わり、Googleが上位コンテンツを「決めかねている」ような雰囲気すらあります。
アウル対策より「以後」の対策を考えよう
昨年を振り返ると、米大統領選に関するフェイクニュース配信や、日本でのニセ医療情報配信など、社会をゆるがす事件が続き、Googleの課題が浮き彫りとなっていました。
それに対するGoogleからの回答が、今回のアウルアップデートです。
したがって、単に「アウルアップデートから悪影響を受けない」ための対策というと、反社会的な情報の配信をやめる、などという、SEOうんぬん以前の話になってしまいます。
そうしてアウルアップデートだけを意識するよりも、これをきっかけとして「今後のSEO対策」を考えたほうが、必要なことがすっきりと見えてきます。
アウル後のGoogle検索順位はどうなるの?
さて、ここで、今回のGoogle公式リリース文の内容(本記事末尾に要約)を見てみましょう。
リリース文では「Googleのタテマエ」が丁寧に書かれていますが、ぐっと圧縮すると、次のようにも読めます。(※以下はデマでも偽情報でもなく、筆者の解釈です)
※※※ Google発表内容要旨(筆者解釈による) ※※※Googleは、リンクとコンテンツの2つを中心に、順位を決めます。
たぶん今後も「完璧な検索結果」は作れません。もちろん、今回のように、あまりに大問題になったら、大量の人力を投入してでも問題解決します。でもそういうケース以外は、検索結果がアルゴリズム任せで少々変でも、どうかご容赦下さいね。
つまり、このリリース文を読むと、「今後もリンクとコンテンツで検索順位を決めます。それで完璧とは思わないけど、勘弁してください」と、Googleが弁解めいたコメントをしているように解釈できるのです。
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アルゴリズムが変わっても変わらないSEO要件とは
さて、今回のアウルアップデートに限らず、Googleは現在、ほぼ毎日のペースで多くのアルゴリズムアップデートを行っています。
それでアルゴリズムが賢くなったからといって、検索結果がいつもGoogleの意図通りになるわけではありません。
様々な予期せぬ影響が絡み合い、「細かいSEO傾向」は今後も変化し続けるはずです。
しかし、「リンク獲得とコンテンツ作成」がSEO基礎となるのは、今回のGoogle発表を見ても、常に変わらないのです。
昔と違い、今では、何らかの「SEO裏ワザ」を使えばずっと一位でいられる、という時代ではなくなりました。しかし、だからこそ、基礎のSEO対策は必ず済ませておきましょう。
補遺:Googleリリース要約(編:筆者)
参考まで、Google公式リリース文日本版の発表内容をもとに、今回Googleが発表したリリース文の筆者要約を紹介します。
序盤要約:フェイクニュース対応 実施概要
Googleは、以前はページランク(被リンク評価)を中心に検索順位を決めていた。
しかし今は、さらにコンテンツ評価も取り入れて順位を決めるようになった。それに伴いGoogleは、コンテンツによるスパム行為の摘発に力を入れてきた。
隠しテキストやコンテンツスパム(盗用や自動生成など)は既に対応済みだが、今回さらに「フェイクニュース(偽ニュース)」の対応を行った。中盤要約:実際に一部クエリで下落したサイトは
このたびのアルゴリズムアップデートで、一部のクエリ(全体の0.25%)で表示されていたような、攻撃的な内容や明らかなデマを含む低品質なコンテンツの順位を下げた。
対象となる、攻撃的ないしデマを含むコンテンツは、Googleスタッフが目視で評価している。
具体的には、昨年12月に問題となった、ホロコースト(第二次大戦中に起きたユダヤ人迫害)の存在を否定するようなサイトが、上位化されなくなった。終盤要約:Googleは「不完全」、でも進歩は止めない
Googleの検索結果が、本当に「完璧」になることは、これからもないだろう。しかし今後もGoogleは、ユーザーの期待に応えるべく、役に立つ製品開発・提供に尽力してゆく所存である。
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