[2014/08/08] (最終更新日 2021/06/15)
Googleの「HTTPS重視」発表をどう解釈するか
この記事では、2014年8月7日木曜日にGoogleから公式発表のあった
「HTTPSをランキングシグナルに使用する」
という方針を経て、今後のSEOをどう展開すればよいかについて述べます。
HTTPSとは
HTTPSとは、簡単に言うと「通信が暗号化されています」ということを示す「しるし」です。
より詳しく言うと、あなたが見ているWebサイトのURL冒頭が「https」なら、
- Webサーバ(Webサイトそれ自体が置いてある場所)と、
- Webブラウザ(あなたがPCでWebサイトを見ている場所)との間で
- 通信が暗号化されている
ことになります。
これでどういう良いことがあるかと言うと、
- あなたがWebブラウザ上で入力する情報が傍受されることを防止します。
- 誰かがあなたに成りすましてWebサイトに情報を入力することを防止します。
つまりHTTPSは、Webサイトユーザのセキュリティ向上を目的とした技術だということです。
「HTTPSをランキングシグナルに利用する」ってどういう意味?
では、このHTTPSを「ランキングシグナルに使用する」とはどういうことかというと、
「HTTPSを使用するサイトは、今後のGoogle検索順位(=ランキング)で、少しだけ有利に評価されます(=ランキングシグナルに利用する)」
ということになります。
ここだけ読むと「じゃあ、すぐにサイトをHTTPSにしなきゃ!どうやるんだろう!?」となってしまいそうですが、まだあわてる必要はなさそうです。なぜなら、8月7日のGoogle日本の公式発表では下記のように述べられているからです。
“このランキングの変更は、グローバルでクエリの 1% 未満にしか影響しません”
“これから長い期間をかけて強化していきます”
つまり、ざっくり言うと、
「しばらくの間は、今回の発表以前の検索順位と以後の検索順位は、大して変わらない」
ということです。
自分で運営しているサイトがまだHTTPS対応していない方も依然として非常にたくさんいらっしゃると思いますが、あわてて無理をしてでもHTTPS化を推し進める必要はなさそうです。
そもそも、今の時点でHTTPSを強く優遇してしまっては、
「人気があり役に立つのに(HTTPS化されていないばかりに)上位表示されないサイト」
が多く発生し、検索ユーザの利便性は著しく下がってしまいます。
というわけで、「HTTPSにしても、順位にはまだほとんど影響はない」というGoogleの発表は、現状を考えると、ある意味必然的なのです。
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とはいえ、今回のGoogleの発表内容はしばらく無視していていいか、というと、そういうわけでもありません。
上述のGoogleの公式発表では、冒頭でこう述べられています。
“セキュリティは Google の最優先事項です。”
今回のGoogleの発表は、単に「HTTPSをランキングシグナルに利用する」ことだけにとどまらず、Googleが今現在、そして今後、Web空間を今よりもずっとずっとセキュアなものにしようと考えているということを示してもいます。
GoogleがHTTPSをはじめとするセキュリティの重要性を声高に訴えるにつれて、Google側だけでなく検索ユーザ全体も、今後はよりセキュリティを意識するようになるでしょう。となると将来的には、SEO対策の観点からも、またユーザの信頼を勝ち取るためにも、HTTPSの導入(セキュリティ向上)を進めるべきなのは確かです。
しかしあくまで「将来的」な話です。繰り返しますが、特別あせる必要はありませんし、全てのサイトをやみくもにHTTPS化する必要もありません。今回の発表内容に関する限り、HTTPSを導入していなくても、即座に順位が落ちたりすることはないからです。
今回のニュースに過剰に反応して無茶をするよりも、今までと同じく、外部SEOと内部SEOの両者を粛々と行っていくことの方が、今現在で得られるSEO効果は大きいでしょう。
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