[2016/06/09] (最終更新日 2021/07/13)
キーワード入りTLD(トップレベルドメイン)にSEO効果はあるか?
.comや.netなどサイトドメイン末尾の文字列を「トップレベルドメイン」(TLD)と呼びます。
近年は「.cat」や「.museum」、あるいは「.jobs」まで、実に様々なTLDを選べますが、ここに自分のサイトと関係のある文字列(例えば当ブログなら「.seo」など?)を選んだら、SEO効果はあるのでしょうか?
こんな疑問が、米SEOメディアが掲載したある記事をきっかけに話題となっています。
目次
「.弁護士」へ移設で検索順位が大上昇?
米の著名SEOメディアであるサーチエンジンランドで、「サイトと関連のあるTLDへサイトを移設後に検索順位が上がった」というスポンサード記事(記事広告)が掲載されました。
下記はこの記事のサマリです。(翻訳は筆者)
自社サイトを .COM から .ATTORNEY(「.弁護士」)というドメインに移設することで、自然検索トラフィックが増えてマーケティングコストを節約できる、ということを発見したある法律事務所の事例
ところがこの記事が、GoogleのSEO関連トップスポークスマン2人の注意喚起を引き起こす事態に発展しました。
Google主要スポークスマン2人が反論
この記事が掲載されてからまもなく、GoogleのSEO関連主要スポークスマンの一人であるジョン・ミューラーは、、下記のようなtwitterポストを投稿しました。
覚書が:「TLDの中にあるキーワードは、検索順位になんの影響もない」
https://webmasters.googleblog.com/2015/07/googles-handling-of-new-top-level.html …
Just a reminder: "Keywords in a TLD do not give any advantage or disadvantage in search."https://t.co/zkHxDPzHrX
— John Mueller (@JohnMu) 2016年6月6日
このツイート文とURLは、2015年のGoogle公式ブログ記事本文のものです。以前からGoogleはTLDを検索ランキング評価に含めない(=SEO効果はない)と明言しており、今回の記事掲載を受けて注意喚起のため再掲したようです。
ゲイリー「調査の仕方に不備は?」
さらにその後、もう一人のGoogle著名スポークスマンであるゲイリー・イエーシュも、ミューラーのツイートを引用しつつ、こんなツイートを投稿しました。
(記事本文中に)「一方、このドメインについての私の調査では…」と書いてるけど、調査の仕方に不備はないだろうか?
"But my study based on this one domain… "
Your study might be flawed?
https://t.co/F1ovVQYAZI— Gary Illyes (@methode) 2016年6月6日
\無料診断の活用で課題を明確に/
外部リンク、内部状況、コンテンツ状況からSEO対策の課題が見えてくる無料調査です。
「対策ページの弱点は何か...」などお悩みをお持ちの方は、一度「SEOパーソナル診断」をご利用ください。
TLDのSEO効果は「皆無ではない」が…
注目を集めてしまったスポンサード記事の真相ですが、筆者としては、やはり検証の仕方に不備がある、もしくは(あるいは意図的に)精緻に検証していないのでは、と思います。
スポンサード記事にはこんな下りがあります。(翻訳筆者)
以前、担当のエリックはPPC広告で収益をそこそこ出していたが、競合との猛烈な入札競争よりも、よりクリエイティブな方法を取ることに決めた。
新ドメインへのサイト移設、法律関係語のTLD採用、新しいデザインとコンテンツ戦略で、サイトを再始動させたのだ。
また、結びの節にはこのようにあります。
多くの人々が、新しいTLD活用を戦略の中心に据えることで、検索順位や検索トラフィックを増幅することができる、と多くの人が気づくはずだ。
これなら費用のかかるPPCキャンペーンのために毎月銀行口座をヒーヒー言わせる必要もない。
これはちょっと言い過ぎではないかなと思いました。
TLDに特筆すべきSEO効果なし、その他の施策が奏功?
当ブログでも以前取り上げたように、TLDに特別SEO効果はありません。また、そもそもURLに含まれる文字列にも、特筆すべきSEO効果はありません。
ただ、URLに含まれる文字列が検索結果で強調表示されることがあり、検索結果でのクリック率が改善される可能性はあります。これを遠因に、いつか順位上昇する可能性もあります。しかしURL(TLD)だけで難関キーワードの1ページ目上位に掲載、と言うのは少々無理があるかもしれません。
今回のスポンサード記事に掲載されていた、法律事務所のサイトがTLD変更後ランキングを上げたのは真実のように思えます。しかしこれはTLD変更ではなくて、その他のコンテンツ戦略やらの貢献が大きいのではないかな、と、記事を読んだ限りでは感じました。
TLD変更で期待できること、できないこと
ミューラーはその後、Google+でも「ドメインネーム変更というのは、なかなか骨のいる作業だ。たくさんの作業が必要になる。さしたる(順位上昇の)根拠もなくそんなことをするのは、やめたほうがいい」と投稿しています。
もちろんTLD変更でブランディング効果などは期待できますが、少なくとも順位上昇を期待するのはやめた方がいいでしょう。SEO対策に近道はなく、基礎SEOの積み重ねだけが成果につながる、ということを忘れないようにしましょう。
.comや.netなどサイトドメイン末尾の文字列を「トップレベルドメイン」(TLD)と呼びます。
近年は「.cat」や「.museum」、あるいは「.jobs」まで、実に様々なTLDを選べますが、ここに自分のサイトと関係のある文字列(例えば当ブログなら「.seo」など?)を選んだら、SEO効果はあるのでしょうか?
こんな疑問が、米SEOメディアが掲載したある記事をきっかけに話題となっています。
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「.弁護士」へ移設で検索順位が大上昇?
米の著名SEOメディアであるサーチエンジンランドで、「サイトと関連のあるTLDへサイトを移設後に検索順位が上がった」というスポンサード記事(記事広告)が掲載されました。
下記はこの記事のサマリです。(翻訳は筆者)
自社サイトを .COM から .ATTORNEY(「.弁護士」)というドメインに移設することで、自然検索トラフィックが増えてマーケティングコストを節約できる、ということを発見したある法律事務所の事例
ところがこの記事が、GoogleのSEO関連トップスポークスマン2人の注意喚起を引き起こす事態に発展しました。
Google主要スポークスマン2人が反論
この記事が掲載されてからまもなく、GoogleのSEO関連主要スポークスマンの一人であるジョン・ミューラーは、、下記のようなtwitterポストを投稿しました。
覚書が:「TLDの中にあるキーワードは、検索順位になんの影響もない」
https://webmasters.googleblog.com/2015/07/googles-handling-of-new-top-level.html …
Just a reminder: "Keywords in a TLD do not give any advantage or disadvantage in search."https://t.co/zkHxDPzHrX
— John Mueller (@JohnMu) 2016年6月6日
このツイート文とURLは、2015年のGoogle公式ブログ記事本文のものです。以前からGoogleはTLDを検索ランキング評価に含めない(=SEO効果はない)と明言しており、今回の記事掲載を受けて注意喚起のため再掲したようです。
ゲイリー「調査の仕方に不備は?」
さらにその後、もう一人のGoogle著名スポークスマンであるゲイリー・イエーシュも、ミューラーのツイートを引用しつつ、こんなツイートを投稿しました。
(記事本文中に)「一方、このドメインについての私の調査では…」と書いてるけど、調査の仕方に不備はないだろうか?
"But my study based on this one domain… "
Your study might be flawed?
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TLDのSEO効果は「皆無ではない」が…
注目を集めてしまったスポンサード記事の真相ですが、筆者としては、やはり検証の仕方に不備がある、もしくは(あるいは意図的に)精緻に検証していないのでは、と思います。
スポンサード記事にはこんな下りがあります。(翻訳筆者)
以前、担当のエリックはPPC広告で収益をそこそこ出していたが、競合との猛烈な入札競争よりも、よりクリエイティブな方法を取ることに決めた。
新ドメインへのサイト移設、法律関係語のTLD採用、新しいデザインとコンテンツ戦略で、サイトを再始動させたのだ。
また、結びの節にはこのようにあります。
多くの人々が、新しいTLD活用を戦略の中心に据えることで、検索順位や検索トラフィックを増幅することができる、と多くの人が気づくはずだ。
これなら費用のかかるPPCキャンペーンのために毎月銀行口座をヒーヒー言わせる必要もない。
これはちょっと言い過ぎではないかなと思いました。
TLDに特筆すべきSEO効果なし、その他の施策が奏功?
当ブログでも以前取り上げたように、TLDに特別SEO効果はありません。また、そもそもURLに含まれる文字列にも、特筆すべきSEO効果はありません。
ただ、URLに含まれる文字列が検索結果で強調表示されることがあり、検索結果でのクリック率が改善される可能性はあります。これを遠因に、いつか順位上昇する可能性もあります。しかしURL(TLD)だけで難関キーワードの1ページ目上位に掲載、と言うのは少々無理があるかもしれません。
今回のスポンサード記事に掲載されていた、法律事務所のサイトがTLD変更後ランキングを上げたのは真実のように思えます。しかしこれはTLD変更ではなくて、その他のコンテンツ戦略やらの貢献が大きいのではないかな、と、記事を読んだ限りでは感じました。
TLD変更で期待できること、できないこと
ミューラーはその後、Google+でも「ドメインネーム変更というのは、なかなか骨のいる作業だ。たくさんの作業が必要になる。さしたる(順位上昇の)根拠もなくそんなことをするのは、やめたほうがいい」と投稿しています。
もちろんTLD変更でブランディング効果などは期待できますが、少なくとも順位上昇を期待するのはやめた方がいいでしょう。SEO対策に近道はなく、基礎SEOの積み重ねだけが成果につながる、ということを忘れないようにしましょう。
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