[2014/11/17] (最終更新日 2021/06/15)
「サイトをHTTPS化するタイミング」の決め方
Googleの将来的なHTTPS(SSL)サイト優遇方針が報じられてから、ウェブ管理者の関心も次第に高まっているようです。
とはいえサイトのHTTPS化は簡単な話ではなく、いつHTTPS化に手を付ければいいか、がサイト管理者には考えどころです。この記事で、最適なタイミングについて考えてみます。
「手間」と「メリット」を比較する
HTTPS化がユーザに有益なのは当然ですが、しかし、今のところ順位はHTTPサイトと変わらず、実際に差が出るのはまだ先のようです。
となると、今HTTPで動いている自サイトを「HTTPS化する手間」と「それで得られるメリット」をはかりにかけることになります。まずは「手間」の方について考えてみます。
HTTPS化の「手間」
既存のHTTPサイトのHTTPS化には、それなりの面倒が起きます。すなわち、
・新しいサイトを立ち上げる必要がある
Googleは基本的に、HTTPSサイトとHTTPサイトを異なるサイトとして認識します。そのため、元のHTTPサイトに、転送設定(301)や正規化(canonical)処理を行う必要があります。
・検索トラフィックが一時的に落ちる可能性がある
転送設定がうまくいっても、Googleのインデックス更新までは少々時間がかかるため、一時的に、サイトへの検索トラフィックは落ちる可能性があります。
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HTTPS化の「メリット」
今度はHTTPS化でのメリットを考えてみます。
まずは、当然ながらセキュリティの質向上です。特に商用サイトにとっては、HTTPSされたサイトはユーザに大きな安心を与え、サイトはユーザからの信頼を得られます。
次に、先に述べた検索結果での優遇ですが、こちらはまだ先の話で、今時点でHTTPSサイトの順位が優遇されているという情報はありません。
サイトによって異なる、HTTPS化に適したタイミング
つまり、手間がかかる割には、SEO的な導入効果はまだ見込めない、ということです。ここまでは過去記事でも触れたとおりです。
→Google: HTTPSサイトの割合、2年で「3倍」に|SEO Packブログ
とは言え将来のことを考えると、HTTPS化はいつか行う必要があります。このあたりの考え方をうまくまとめたインタビューがあったので、紹介します。
→ “Does My Website Need an SSL Certificate?” on #SoundCloud ※英語、音声のみ
話しているのは、米SEO企業のジョン・ヘンショウさんです。SSL導入は「結局は、すべき」と前置きしたうえで、下記のように話しています。
1. 既にコンバージョンがある既存のHTTPサイトの場合
まだ切り替えるべきではない。それよりも、質の高いコンテンツを作るなどしたほうがよい。
要は「焦らなくてもよい」ということです。ただし、しっかり準備を整えて十分な時間と手間を注入する用意があるのなら、早回しで済ませるのが有益と思います。
2. これから新規サイトを作る場合
これから新しくサイトを作るなら、全てSSLを導入したほうがよい。将来重要になることは間違いないからだ。
つまり「サイト立ち上げはどうせ手間がかかるから、一緒に済ませてしまうのが一番よい」ということです。
さらに、このインタビューに言及したSearch Engine Landの記事で、もう一つのケースについて触れています。
3. 既に複数サイトを管理している場合
あまりうまくいっていないサイトで、まずHTTPS化を試すのがよい。これで、テストデータを蓄積できる利点がある。
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まとめ
このように、HTTPS化のメリットとデメリットを踏まえ、自サイトの状況と見比べてみれば、HTTPS化するタイミングは、おおよその目安がつくのではないかと思います。
特に企業の商用サイトなど、サイト責任者とは別に技術担当がいらっしゃるケースは多いかと思います。そうした場合、上記の基準を参考に相談を持ちかけるのも手ではないでしょうか。
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